下鴨神社(左京区)の糺の森を流れる瀬見の小川下鴨神社(左京区)の糺の森を流れる瀬見の小川

観測史上初めて京都の梅雨は6月で終わりました。平年の半分ほどの期間で、夏の水不足が心配される中、京都の中心部は祇園祭一色に染まっています。猛暑の文月後半、清らかな「水」を求めて京都の街を散歩しましょう。(らくたび、ダイヤモンド・ライフ編集部)

猛暑の京都「祇園祭」3つの話題

 6月9日ごろの梅雨入りから27日ごろの梅雨明けと、観測史上初めて、今年の京都の梅雨は6月中に終わりました。一方で、35℃超えの猛暑日が続き、7月7日には市内で最高気温37.9℃を観測しました。体温超えの猛暑は今も断続的に続いています。

 1日の吉符入りから7月いっぱい繰り広げられる祇園祭が幕を開けました。ハイライトとなる山鉾巡行から先、文月後半の京都のおすすめは、猛暑に負けない「」をテーマにした夏散歩です!

 その前に今年の祇園祭3つの話題から。まずは「山一番」。17日の前祭と24日の後祭の巡行順を決める「くじ取り式」が2日、京都市役所の市議会議場で行われ、毎年固定されている「くじ取らず」の山鉾10基を除く、前祭18基、後祭6基の計24基が巡行の順番を決めるくじを引きました。

 前祭巡行の先頭をゆく長刀鉾に続く「山一番」は、占出山(うらでやま)に。何が話題になったのか。最後にくじを引いたにもかかわらず、“残り福”で、栄えある山一番を引き当てたからです!

 占出山の別名は「鮎釣山」。朝鮮半島出兵に赴いた神功皇后が、肥前国で鮎を釣り、戦勝の兆としたという説話にちなみます。また、子を身ごもりながら戦に勝利したパワフルな神功皇后にあやかり、安産のご利益で信仰を集めています。

 占出山の巡行のくじ順が早いと、その年はお産が軽いといわれます。近しい人にお産の予定がある方は、占出山で授与品を授かるといいでしょう。13日から16日までは、カステラ生地で求肥を包んだ占出山限定の和菓子「吉兆あゆ」もお目見えしますので、祇園祭ならではの京みやげを求める人にもおすすめです。

 長刀鉾は今年が800年を迎えるメモリアルイヤー。例年より1日早い9日から鉾建てを始めたことも話題となりましたが、記念事業として疫病に負けない子どもたちの健やかな成長を願う図柄を描いた見送(山鉾の後ろに飾る懸装品)を復元・新調しました。その見送はなんと、3年前に196年ぶりに巡行に復活した鷹山がかつて所有していたもので、長刀鉾から鷹山に寄贈されたのです。胸が熱くなる、粋なはからいですね。

 日が暮れてから京都中心部の鉾町を歩くと、どこからともなく祇園囃子の音色が聞こえてきます。以前オフィスを構えていたご縁から、今年も郭巨山(かっきょやま)の厄除けちまき(粽)を、京都の大学に通う学生さん、ボランティアの方々、らくたびスタッフ総出で、一つ一つ願いを込めて作り上げました。その数2000超!

 このちまきは、14日から16日の前祭宵山期間中に授与されます。郭巨山は金運のご利益で知られ、小判のお札が添えられています。これが三つ目の話題ですが、今年の郭巨山は山12番。17日の巡行当日、らくたび代表の若村は、御池通東洞院付近の特別観覧席「まなび席」で祇園祭の徹底解説を今年も担当していますので、見かけた方はぜひ、声をかけてくださいね。

street四条通のアーケードにも駒形提灯が飾られ、祇園囃子のBGMが流れる