本来、日銀が異例の超金融緩和を続けているのは、銀行に国内融資を増加させたいためである。だが、国内の設備投資が盛り上がらない中で、銀行の融資先は、都市部などの不動産、住宅ローンなどに傾斜するしかなく、不動産はバブル気味だ。

 一方で、米国の中央銀行FRBが利上げや資産縮小に向かっているために日米金利差が拡大し、資金が海外に流れてしまうのだ。

 この3ヵ月、米国の10年債利回り(長期金利)は上昇して2.3%を超えた。それに対して、日本の10年債利回りも上昇傾向にあるが、0.5~0.7%で頭打ちになっている。儲かる国内投資先がなく困っている日本の金融機関が海外の債券や株式に投資するのは当然の成り行きだ。

 ついに日本の金融資産の海外流出が1000兆円を超えた。日銀の金融緩和がもたらすマネーが米国など世界の「株価バブル」を支えているのである。

日本の株高の主役は
外人投資家と日銀

 日本の株価連騰もその一環だ。

 米国の株価上昇は、10年前のリーマンショック前の時よりも急激だ。 日本の異常な金融緩和で米国に資金が流れ、米国の株高でもうけた外国人投資家が、今度は日銀の株買い支えを予想してまた日本株を買うという循環だ。

 日銀が買っているETF(指数連動型上場株式投信)はすでに16兆円を上回り、社債などと合わせると20兆円を上回る。必ず日銀が株価を支えてくれるという心理が働くので、外国人投資家が主導して日本の株価も上昇していくことになる。

 だが売買金額ベースで取引を見ると、外国人投資家が7割を占め、個人取引は2割前後にすぎない。

 株式の保有主体としてみても、外国人は3割を占める。外国人の保有比率が3分の1を超えた企業を「外資系企業」と呼ぶが、名だたる大企業が実は「外資系企業」になっている。

 その一方で、日銀と年金基金が筆頭株主になっている「国有企業?」化する大企業も出てきている。

 たしかに、この株高で「おこぼれ」にあずかった富裕層も一部にはいるだろうが、多くの人々は豊かになったという実感を持てないでいる理由だ。