長生きは本来、有り難い話なのだが、一方でそれが不安の源泉になっているというのは何とも言えない話である。そこを解決するには、生活費を含めて家計から出ていくお金に注目するのではなく、将来に向けて稼ぐ手段をいかに増やしていくかという視点が必要だ。連載第2回目の今回は、その稼ぐ手段、収入を得る手段にスポットを当てた。(ファイナンシャルプランナー・吹田朝子)
学校では教えてくれない稼ぎ方を
いかに柔軟に考えられるか?
日本の教育に携わる先生(大学含む)の中で「ビジネスや経営を現実的に考えるのがイヤ。お金のことは苦手」と言う人は意外にも非常に多い。実際、筆者も先生から毎年のようにお金の相談を受けている。そうした教育の中では、公務員や教職、会社員として立派な社会人になることはイメージできても、それ以外の稼ぎ方について幅広く学ぶ機会がないに等しいと言えるのではないだろうか。
会社に勤めて定年を迎え、その後、公的年金以外に収入がないという状態は、実は生きがいの面でも家庭経済の面でも辛いものだ。つまり、自ら何か動いて対価をいただくことが全くないという状態は、自分の価値や存在意義すら否定しかねない。結果、生きづらくなって日常生活に支障を来たすようなことにもなる恐れがあるのだ。
人生を明るく考えることができるようになるには、自分にとって楽しいことを行ったり、人に必要とされる存在になったりすることはもちろん、生きていくうえで収入を得るという手段をいかに多く持てるかにかかっていると言っても過言ではない。その収入を得る方法にはどんなものがあるのかについて、次で整理してみよう。