Photo by Mieko Arai、Takahiro Tanoue

10月25日、銀行の監督官庁である金融庁は「地銀の過半数が本業赤字」という試算結果と、2017年3月期の本業の利益とその前期との比較に基づいた散布図を公表した。週刊ダイヤモンドはこの図を再現し、地銀が抱える苦悩の核心に迫る。(「週刊ダイヤモンド」編集部 田上貴大、鈴木崇久)

「今後、ビジネスモデルに深刻な問題のある地方銀行には、立ち入り検査を行っていく」──。

 今年10月下旬、こう言い放ったのは、銀行の監督官庁である金融庁の森信親長官だ。地銀の頭取が一堂に会する場でのことだ。

 この発言を聞いて、耳を疑った金融関係者は少なくない。というのも金融庁は、かつて不良債権問題を抱える銀行に立ち入り検査を行い、その処理を厳しく指導してきた検査局を来年にも解体するなど、「脱・金融処分庁」の路線を打ち出しているからだ。

 何が起きているのか。実は、この発言は“処分庁”への逆戻りを意味しているのではない。むしろ地銀との“対話”に本腰を入れようとする、金融庁の腹積もりがにじみ出ているといえる。

 これまでも、変革に積極的な地銀は存在していた。例えば、金融庁の考えやアイデアを聞いて、現場にそれらを伝える地銀の頭取などがそうだ。ところが、あまり成果が出ず、ある金融庁幹部は「評判のいい頭取でも必ずしもパフォーマンスがいいとは限らないのはなぜなのか、ずっと疑問に思っていた」と困り顔だった。

 だが今後は、文章でのやりとりでは分からないような悩みを対面で聞き出し、改善状況を継続的にフォローしていくことを目的に、地銀に乗り込んでいく考えだ。