デジタル時代の新たなリスクを管理する
プロセスと仕組みが必要

――ご紹介いただいたように、ビジネスのグローバル展開に関して様々な課題を突きつけられている日本企業ですが、KPMG、オラクルではそれぞれ、どのようにそうした企業をサポートしていこうとしていますか。

松本:もともとKPMGコンサルティングは、各国の税制対応や監査・アシュアランス(保証)に強みを持つKPMGのメンバーファームです。この生い立ちから、事業変革を支援するマネジメントコンサルティングだけでなく、リスクマネジメントを支援するリスクコンサルティングにも強みを有しています。とりわけリスクマネジメントに関しては、企業においてデジタルトランスフォーメーションが進む中で、これまでと違ったリスクの捉え方が必要です。

 われわれとしては、お客様のデジタルトランスフォーメーションの展開を支援する専任組織を立ち上げる一方、そうした未知数のリスクをいかに管理していくか、そこに多くのリソースを傾けていきたいと考えています。
要するに、お客様のデジタルトランスフォーメーションの安全な実践をバックエンドから支援していくことが、これからのKPMGの重要なミッションだと捉えているわけです。もちろんそこにおいてカギとなるのは、システムを活用したバックオフィスにかかわるリスクの可視化。そのような観点から、ERPの価値をさらに深く理解するとともに、オラクルとの協業もますます強化していきたいと考えます。

桐生:ありがとうございます。おっしゃるとおりオラクルでも、バックオフィスのリスクの可視化に不可欠なプラットフォームとして、ERPをお客様にご提案していきたいと考えています。一方で、バックオフィスに紐付かない様々な業務についてもリスクを捕捉し、管理していく必要があります。それには、必要なデータをいかに収集し、どうやって分析していくかということが重要であり、今後、企業のお客様は、この領域に長けたパートナーとタッグを組んで取り組みを進めていくことが望まれます。

 ご承知のようにオラクルは創業以来、企業活動にかかわるデータに着目し、データの取り扱いを中核に事業を展開してきたベンダーです。ERPをはじめとする業務アプリケーションのデータのみならず、およそビジネス全体、世の中全体のデータを、きちんと正規化したかたちで企業経営に供していけることが何よりの強みであり、そうした立脚点からオラクルでは、デジタル時代のお客様のビジネスをしっかりと支えていくベンダーであり続けたいと考えています。

(構成/伊藤一徳、丸谷 潔 撮影/宇佐見利明)

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