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山崎元のマネー経済の歩き方

続・投資信託は日本でなぜ売れないのか?

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第204回】 2011年11月28日
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 フィナンシャルアドバイザー(以下、FA)を名乗る方から、フェイスブックで次のようなメッセージをいただいた。「金融機関のセールスマンが不適切な投資信託を売っている、対面型セールスは悪である──。これらの主張は、どんな事実を元に書かれていますか? 十把一絡げに特定の職業をこき下ろすことはやめていただきたい」という。実名でのまじめな問いなので、次のように返答した。

 すべてのセールスマン・FAが悪いわけではないが、以下のような理由で、個人投資家は対面型のセールスやFAを警戒すべきだ。

 まず、対面型セールス(FAを含む)が、不適切な商品(不必要に手数料の高い「ベストでない商品」)を売る事例が多数ある。現に、現在の投信の残高は毎月分配型や通貨選択型など不適切な商品が多い。また、営業に偏向していて不適切なフィナンシャルアドバイスを受ける事例をしばしば聞く(退職金全額を毎月分配型ファンドに誘導するなど)。

 セールスやFAの何割が特に悪いのかは定かでないが(そんな統計はないし、論理的には「少なからぬ」セールス・FAが悪い、というだけで十分だ)、顧客のためにならない人物が相当数いる。

 加えて、対面型セールスを兼ねるFAには、より高い手数料の商品を顧客に薦めたくなる誘因がビジネス構造に存在する。

 そして肝心なのは、顧客は専門知識を持っていないから、セールスやFAのよしあしを見分ける能力がないことだ。

 これらの事実を論理的に結び付けると、顧客は、すべてのセールスおよびFAを、少なくとも最初は警戒したほうがいいといえる。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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12社を渡り歩いた資産運用の現場に一貫して携わってきた視点から、「資産運用」の方法をどう考えるべきか懇切丁寧に説く。投資家にもわかりやすい投資の考え方を伝授。

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