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太陽電池の底なしの価格下落
パナソニック新工場の試練

週刊ダイヤモンド編集部
2011年11月28日
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世界の太陽電池工場の生産能力は、需要の2倍近いという指摘もある
Photo:Imaginechina/AFLO

 パナソニックは来年度、約450億円をかけてマレーシアに太陽電池の新工場を建設する。これまで技術流出のリスクなどを懸念して国内2工場で作ってきたが、注力する環境・エネルギー事業の成長のため、国内メーカーでは初めてシリコンウェハの材料から完成品まで一貫生産を手がける。

 狙いは生産コストや為替リスクを抑えつつ、アジアや欧米に、世界最高効率を誇る太陽電池「HIT」を売り込むこと。一軒家の屋根の上など、限られた面積でも高い発電量を生み出すことができるため、競合メーカーの約1~2割増しの“プレミアム価格”で売られている独自商品だ。

 じつはこの新工場は、昨年末の時点では兵庫県尼崎市にあるプラズマテレビのパネル工場を転用する予定だった。それが夏以降、あわててマレーシアや中国など別の候補地の検討を進めたのには、抜き差しならない理由がある。

 歯止めのかからない太陽電池の価格下落がそれだ。

 年初に1ワット当たり約1.6ドル(モジュールベース)だった市場価格は、11月時点で0.99ドルに下落、わずか1年弱で40%も下がった。台頭する中国や台湾メーカーの供給過剰が主な原因とされており、「欧州の老舗メーカーは、もはや太陽電池単体では大きな利益は見込めないと公言している」(横山恭一郎・野村証券アナリスト)というのが現実だ。

 世界の太陽電池出荷シェアのトップ10のうち6社は中国メーカー(SolarBuzz調べ)で、価格下落は底が見えない。海外生産によるメリットをどこまで生かせるか、マレーシア新工場の成否はそこにかかっている。

 (「週刊ダイヤモンド」編集部 後藤直義)

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