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「iQOS(アイコス)」に代表される加熱式タバコに切り替えてから「歯茎が痛くなった」という声をしばしば聞くようになった。そのせいか、「加熱式タバコは歯周病を悪化させる」という話を聞く。実際に、歯科医師である筆者もそのような声を頻繁に聞くようになった。加熱式タバコは紙巻きタバコに比べれば、圧倒的に有害物質が少ないはずなのだが、なぜ歯茎が痛むのだろうか。(歯科医師・歯学博士・日本歯科総合研究所代表取締役社長 森下真紀)

人気の「次世代タバコ」だが
「歯茎が痛い」という人が増えた

「次世代タバコ」とも称され、その代表格である「iQOS(アイコス)」(フィリップ モリス ジャパン)はいまだに品薄状態が続くほど、その人気は依然として高い。紙巻きタバコに比べて、副流煙が少なく、周囲への臭いも気になりにくい。有害物質も9割ほど低減できるという加熱式タバコである。

 このiQOSに加えて、「Ploom TECH(プルーム・テック)」(日本たばこ産業(JT))や「glo(グロー)」(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン)等が近年製品化されており、主要タバコメーカーによる次世代タバコ競争が過熱している。

 こうした次世代タバコは、従来の紙巻きタバコとは異なりタバコ葉を燃焼させないことから、有害物質である「タール」がほとんど出ないのが特徴だ。

 タールには発がん性物質が多く含まれ、特に紙巻きタバコのタールには人体に悪影響を及ぼす化合物が約200種類も含まれているとも言われている。一方の次世代タバコは紙巻きタバコに比べて健康被害が10分の1程度といわれており、次世代タバコにとって「大きなセールスポイント」とされている。

 それにもかかわらず、筆者が専門とする歯科治療の現場では、iQOSを吸い始めたことで歯科医院に飛び込んでくる患者が最近増加している。