激変!エネルギー最新事情
【第17回】 2017年11月29日
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ダイヤモンド・オンライン編集部
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期待の国産資源・メタンハイドレートの開発研究はここまで進んだ

人工のメタンハイドレート

 気になるのは、「日本の排他的経済水域内にどのくらいのメタハイが存在しているか」ということだろう。1996年に発表された論文をもとに「日本の天然ガス消費量の100年分が日本周辺に存在する」と言われたこともあり、なんとなくキリのいい数字の「100年分」という数字がひとり歩きしている感もある。

 実際に、メタハイの生産技術開発をしているJOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)によれば、「メタハイ濃集帯、つまり砂層型のメタハイが大量に存在している場所や、その量は、東部南海トラフ以外は、くわしくは調べてはいないためわからない」(宅間之紀・石油開発技術本部メタンハイドレート研究開発グループ担当審議役)のだという。

 エネルギー資源の量を示す言葉には、しばしば「(原始)資源量」や「埋蔵量」という表現が使われる。この2つの言葉は、厳密に言うと異なり、「原始資源量」は存在する量を示し、「埋蔵量」は実際に資源として生産できる総量を示す。

 「メタハイの場合、生産方法も確立していないので、どのくらい資源を取り出せるかという回収率が算出できない。このため、採掘可能な埋蔵量もわからない状態なのです」と宅間氏は説明する。

 とはいえ、メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(MH21)の資料によれば、最も調査が進んでいる海域の東部南海トラフの濃集帯には、原始資源量だけでも、日本の天然ガス輸入量(2011年)の約5.5年分が存在するとされており、潜在的なエネルギー資源としてメタハイが注目される背景になっている。

生産方法は「減圧法」
技術開発の現状と課題

 先述した通り、メタハイは海底や永久凍土という低温高圧な環境下で氷状という「固体」で存在している。このため、石油や天然ガスのような流体とは異なり、井戸を掘るだけでは自噴せず、地層内でメタハイを分解してメタンガスを取り出す生産技術を開発する必要がある。

 その生産手法として、「温度を上げる(加熱法)」「圧力を下げる(減圧法)」「薬剤を注入する(インヒビター圧入法)」という3つの方法があるが、現在のところ、生産効率の面などから減圧法での技術開発が進んでいる。

減圧法のイメージ図

 メタハイの基礎研究は1990年代前半から始まっていたが、2001年7月に経済産業省が開発計画を発表、開発計画を実行するコンソーシアム(MH21)が組織され、地質調査や生産技術の本格的な開発が始まったのだ。

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原子力発電所の再稼働のメドが立たない今、エネルギーの安定的な確保ができるかは国民生活にとって非常に重要な意味を持つ。国内ではスマートコミュニティや大型蓄電池、太陽光発電に代表される再生可能エネルギー、地熱発電、メタンハイドレートなど、さまざまなエネルギー源の実用化へ検討が進められている。エネルギーに関する最新事情をレポートする。

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