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大震災による評価軸の変化で
3年ぶりにオフィスビルが改善

週刊ダイヤモンド編集部
2011年12月7日
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供給過剰、人気低下が懸念されていた新宿エリアも、見直されている

 東日本大震災は東京のオフィスビル市況も冷え込ませたが、ここへきて一転、市況回復の“追い風”要因となっている。

 不動産コンサルタントのジョーンズラングラサールによると、今年第3四半期、都心の高機能ビルの空室率は4.1%。前期比1.6ポイントの改善だが、空室率が改善に転じるのは3年半ぶりのことだ。

 好調な背景の第一要因は賃料の低下だ。リーマンショック直前のピーク時に比べ3~5割も低下している。“高嶺の花”だった都心のビルやIT対応ビルへの移転、オフィスの集約が現行の賃料と同じか、それ以下で可能とあって新規需要につながった。

 見逃せないのが、震災後に浮上した安全性と事業継続を重視する動きだ。耐震性能などの安全性確保はもはや企業の義務。同様に災害時でも事業が継続できるように非常用電源などが確保されたビルにオフィスを構えるのも“常識”となりつつあり、それらが移転の決断を後押ししている。

 新宿駅から徒歩10分以上かかるなど利便性が劣るわりに、再開発でビル供給過剰が懸念されていた新宿周辺部も追い風に乗っている。

 新宿地区は地盤が強いこと、緊急時は住宅地として人気の東京西部からも徒歩通勤が可能なことなどから、「これまで主流の東京駅周辺や湾岸地区から、新宿を移転候補に入れる企業が増えてきた」(前澤威夫・シービー・リチャードエリスコンサルティング部長)。

 今月1日、西新宿に竣工した住友不動産の40階建ての大型ビルも、計画当初の悲観的な評判を覆して、すでに7割が埋まっている。

 震災はオフィスビル選びでも評価軸の変化を起こしている。

 (「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木 豪)

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