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原発事故の確率がどれほど低かろうが、その“万が一”の事態は決して受け入れられるものではない
――アメリカ反原発運動の第一人者
ポール・ガンターに聞く

大野和基
【第70回】 2011年12月8日
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ポール・ガンターがアメリカで反原発運動の急先鋒に立って30年以上になる。彼は初期の反原発グループ、クラムシェル・アライアンスの共同設立者であり、その後20年間Reactor Watchdog Project for Nuclear Information and Resource Serviceで所長を務め、2007年にはBeyond Nuclearという反原発組織に原発の専門家として移った。反原発運動のみならず、メディアにもっとも登場する論客としても名を馳せているポール・ガンターに、今回の福島原発事故について聞く。(聞き手/ジャーナリスト 大野和基)

事故がまだ終息していないことが
フクシマの最大の問題点

ポール・ガンター(Paul Gunter)
アメリカにおける原子力発電の危険性、セキュリティ問題の第一人者。2008年にはタイズ財団からジェーン・バグリー・リーマン賞を受賞。ミシシッピ州出身。彼の30年間にわたる反原発活動については、『世界で広がる脱原発』(宝島新書)に詳しい。
Photo by Kazumoto Ohno

――福島県のある地域のコメから国の暫定規制値(1キロあたり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検知されたが、こういう状況はこれからも続くと思います。この状況をどう見ますか。

 明らかに、大いに懸念されるのは、原発事故が及ぼす影響が、一つの特定の農産物だけでなく、さまざまな国の資源を失わせてしまうことです。コメ資源は日本では大きな資源の一つですが、その汚染は4分の1世紀続く可能性があります。これはまさに、チェルノブイリの事故が起きた結果、我々が見てきたことと同じです。

 例えば、スコットランド北部では放射性セシウム137が羊の餌用の草に含まれていました。その結果、放牧地は25年間も使うことができませんでした。チェルノブイリ事故では、いくつかの地域は1000マイル(約1600キロ)も離れたところでも25年間農業が禁止されました。ですから、日本でも同じようなことがそれくらい、いや、もっと長く続いてもおかしくはありません。

 フクシマの問題は、まだ事故が収束していないことです。臨界に再度達する可能性があるかもしれません。そうなれば、さらに放射性物質が放出されます。放射性物質は一旦放出されると、どこまで汚染され影響が出るのかを把握するのはかなり難しくなります。また季節も関係してきます。例えば、スコットランド北部では春の草がもっとも汚染されていました。日本では事故以来まだ四季が過ぎていませんが、季節によって汚染度が増すかどうかも調べなければなりません。

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