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好きな選手で架空チームを編成、現実の成績が得点に
アメリカでビジネスとしても大成功の人気ゲーム
“ファンタジー・スポーツ”は日本でも流行るか?

渡辺史敏 [ジャーナリスト]
2011年12月12日
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自分で組んだ架空チームの成績を競うゲーム
インターネットの普及で気軽に楽しめるように

 「昨日の松井は本塁打が出たのは良かったけど、打率が下がったのはちょっと」、「上原も三振がなかったけど、きっちりセーブを挙げたからほっとしたよ」

 シーズン中野球ファンの間でこんな会話が繰り広げられるのは日本もアメリカも同じだ。ただこれがアメリカで、しかも選手の成績にこだわる割に特定のチームにこだわっていなかったら、その人達はファンタジー・ベースボールのプレーヤーである確率が高い。

 ファンタジー・ベースボール、さらにアメリカンフットボールやサッカーなど様々なスポーツでの展開を総合して呼ばれる“ファンタジー・スポーツ”はアメリカで利用人口が3600万人、市場規模が50億ドルに達すると言われるほど、爆発的に市場を拡大しているゲームの名称だ。

 数人のグループで大リーグを題材にプレーする場合でその大まかな仕組みを紹介しよう。まず予め決められたルールに沿って実在の選手で自分だけの架空のチームを作る。例えばイチローや松井秀喜、斎藤隆といった日本人選手だけの組むことも可能だ。そして実際の試合でそれらの選手が挙げた成績によって得点がつけられるのである。

 例えば本塁打1本毎に1点、奪三振1つで1点といった具合だ。そして自分のチームの選手たちの得点を合計し、他の参加者のチームの得点と比べるのである。これをシーズンに渡って行い、最終的な順位を付けるのだ。シーズン中に選手の好不調を判断し、一定の条件下で自分のチームの選手を入れ替えることもできる。常に全選手の動向に注意し、チームの編成を変えていかなければ高得点をあげることは難しい。個人的に好きな選手を集めるのではダメなのも特徴の一つといえるだろう。

 元々ファンタジー・スポーツは1960年代に考案されたものの、成績を追いかけ、得点を計算したり、選手の入れ替えを管理するのが大変で、一部マニアのものでしかなかった。それが90年代後半以降急速に市場が拡大しているのである。背景にあるのは、インターネットの普及だ。インターネット、さらにはパソコンのおかげでネット上でゲームのシステムやプレーに不可欠な各スポーツの成績が提供されるようになり、気軽に参加できるようになったのである。

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渡辺史敏 [ジャーナリスト]

1964年生まれ。兵庫県出身。ニューヨーク在住。明治大学卒業後、科学雑誌 出版社勤務を経て、95年フリーランスとして渡米。 ITとNFL、MLB、サッカーなどの米スポーツという2つの分野を中心に取材・執筆活動を行う。 特にメディアとスポーツビジネスの動向に注目している。


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