水道事業の民間委託は「民営化」の成功モデルになる

「水道の民営化」が今度の通常国会で議論になりそうだ。

 民営化には麻生財務相がかなり熱心だという。

 筆者は役人時代に竹中郵政民営化担当相の下で郵政民営化の制度設計をやったが、その時、「民営化断固阻止」で政府内の反対勢力の急先鋒だったのが、当時の麻生総務相だった。その麻生氏が「水道民営化」には賛成するというのだから、とても興味深い。

 これまでも、営団地下鉄や道路公団、政策投資銀行、商工中金など数々の「民営化」が行われ、筆者もそれにかかわってきたが、政治的な反対による揺り戻しもあって、郵政では上場後の株価も低迷している。また商工中金では不祥事が発覚した。

 十分な成果があったとは言い難いが、水道民営化は、国民に役立つ民営化になり得る。

水道法改正案の再提出
民営化の議論を深める好機だ

 まず、水道民営化の経緯を整理しておこう。