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資料出所:財務省「法人企業統計調査」、厚生労働省「毎月勤労統計調査」より作成
(注)
(1)売上高経常利益率は経常利益を売上高で除した百分率で、全産業(金融業、保険業を除く)、全規模の値である。
(2)実質賃金は現金給与総額を消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)で除した指数で、調査産業計、事業所規模30人以上の値である。
(3)数値は四半期系列の季節調整値である。
(4)景気拡張期間と対照し、売上高経常利益率が上昇している過程をとった(景気の谷以前にボトムがある場合は、ボトムの値から起算した)。
(5)売上高経常利益率は起点からの変化差として、実質賃金は起点を100.0とした指数として示した。
(6)利益率の上昇に伴う実質賃金の推移を、【1】実質賃金が上昇した過程、【2】実質賃金が概ね横ばいであった過程、【3】実質賃金が低下した過程、の3つに分類するとともに、こうした過程が時系列に生じたことから、第I期、第II期、第III期と順序づけを行った。

 第I期は、1990年代半ばごろまでのデータによるものですが、戦後日本経済の一般的な労使関係を反映しており、会社がもうかれば、働く人たちの賃金も増えています。

 会社で働く人たちは、経営側も労働側も、あまり隔てなく、一緒になって会社をもり立てていた時代だったのではないでしょうか。

 しかし、1990年代後半に変化が生じました。第II期では、利益が増えても平均賃金が上がらなくなったのです。

 そして、現在では、物価上昇率の高まりによって実質賃金が低下するようになりました。金融の異次元緩和が始まってからは、賃金を削って利益を回復させる第III期へと突入してしまったように見えます。