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吉田恒のデータが語る為替の法則

急落中のユーロは反発するか?
そして、米ドル/円の1月第1週が重要なワケとは?

吉田 恒
【第179回】 2012年1月6日
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新年早々のユーロ急落。それはまだ続くのか?

 ユーロは2012年入り早々、対米ドルで1.3ドルを大きく割り込み、対円では100円の大台を割り込むといった具合に急落が目立っています。

ユーロ/米ドル 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足

ユーロ/円 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 4時間足

 このうち、特に対米ドルでのユーロ安は、中期的には当然の流れであり、まだまだ通過点に過ぎない可能性があると思います。

 ただ、短期的には行き過ぎた動きであり、このまま続くことはないのではないかと私は思います。

購買力平価からみればユーロはまだ割高だが…

 まずは、「資料1」をご覧ください。これは、ユーロ/米ドルの適正価格の目安である購買力平価からのかい離率を表したグラフです。

 2012年入り早々1.27ドル台まで急落しているユーロですが、購買力平価は1.2ドル程度なので、それでもまだ適正価格よりは「割高」になるわけです。

資料1

 景気が良くて、利上げ局面にある時ならともかく、逆に深刻な債務問題を抱え、普通に考えたら米国以上に低金利の長期化を余儀なくされる見通しにある中で、ユーロが割高を維持するのは難しいでしょう。

 むしろ適正価格より「割安」になっていく可能性が高いでしょうから、その意味では、このユーロ下落も中期的には通過点に過ぎないと思います。

 ただ、そうは言っても、相場は上がったり下がったり、ジグザグに動くのが普通であり、一方的な展開にはおのずと限界があります。

 そこで、「資料2」をご覧ください。

資料2

 「資料2」のように、ユーロはすでに過去最高の売り越し、つまり、空前の売られ過ぎになっているようですから、短期的にはユーロ売りの限界に直面し、ユーロは相応に反発する可能性があるのではないでしょうか。

短期的なユーロ安の一段落は近いのか?

 もう1つ、こんなデータにも私は注目しています。

 「資料3」は、米国株(NYダウ)とユーロ/米ドルのグラフを重ねたものですが、同じように動くこともあった両者が、最近にかけて大きくかい離してきたことがわかるでしょう。

資料3

 代表的なリスク資産である米国株とユーロが同じように動いていたのは、ユーロもリスク資産とみなされていたということでしょう。

 ところが、このところリスク資産である米国株は上昇が続いてきました。その意味では、金融市場全体のテーマは、リスクオフ(リスク回避)ではなくなってきたようです。この背景には、もちろん米国の景気回復観測があるでしょう。

 いずれにしても、このように見ると、年末年始のユーロ安は、それまでのリスク回避のユーロ売りとは、少し違ってきたようです。

 その意味では、金融市場全体で、株価上昇に示されるようなリスクオフ・ムードが後退する中、ユーロ売りだけが続くのか、ということも試されていると思います。

 ところで、同じような局面がちょうど1年前にもありました。

 それはいつごろかというと…

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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