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吉田恒のデータが語る為替の法則

注目されるフランスショックの「Xデー」。
影響は軽微だと考えるその理由とは?

吉田 恒
【第181回】 2012年1月16日
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注目されるフランス国債格下げ、その影響は?

 欧州債務危機の中で、フランス国債の格下げが注目されています。

 私は、フランス国債の格付けが大幅に下げられる可能性は基本的にないと思うので、それでユーロや欧州の株が新たに大きく売られるような実質的な影響はないのではないかと思っていますが、果たしてどうでしょうか。

1段階程度の格下げなら金融市場への影響は軽微とみる

 注目されるフランス国債格下げですが、その格下げが実質的に金融市場に影響するのは、格付けが一気に2~3段階以上、引き下げられた場合との見方が基本です。

 格下げがない場合は当然ですが、1段階程度の格下げなら、実質的な影響はほとんどないとの見方が基本になるのではないでしょうか?

 「資料1」は、ユーロのポジションですが、ユーロはすでに空前の売られ過ぎとなっています。

資料1

 

 このことが、仮にフランス国債の格下げがあったとしても、ユーロ売りが一段と広がることには、やはり、ならないのではないかと思っている理由です。

ECB理事会前日にフランス国債格下げのウワサが…

 フランス国債は、現在、最高格付けとなっていますが、これを最近、大手格付け会社の1つが2012年中は基本的に維持する、つまり格下げをしない方針であると発表しました。

 しかし、他の米系大手格付け会社については、引き続き、格下げの可能性が消えていないとみられているようです。

 こうした中、1月11日(水)に海外市場で、フランス国債格下げの発表が近いとのウワサが流れました。

 なぜ、11日だったかということについては、1月12日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会と関連があるという見方が1つあったでしょう。

 大手格付け会社は、フランス国債格下げの判断条件の1つとしてECBの政策対応に注目している形跡があります。簡単な言い方をすると、「ECBが量的緩和など抜本的な政策へ踏み出さない限り、フランス国債格下げは不可避」ということになるでしょう。

 こうしたことからすると、ECB理事会前日に、格下げのウワサが流れたのも理解できなくはないと思います。

 それ以上に、格付け会社が注目しているのは…

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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