追い上げるOPPO、HUAWEI

 減産するiPhone Xだが、次世代の新型投入とともに生産を中止するかというと、その判断は難しい。販売数や需要が損益分岐点を下回れば生産中止は自然だが、そうでなければ販売はもちろん、ニーズに合わせた製造は続けるだろう。その時点で潤沢な在庫があれば、製造は中止するが販売は続けるということもあり得る。

 ライバルメーカーの追撃も見逃せない。OPPO、HUAWEI、Vivo、Xaomiといった中国企業は端末機能、需要ともに存在感を増している。スマートフォンメーカーのグローバルでのマーケットシェア(2017年)は、サムスンが20.7%、アップルが13.7%、HUAWEIが9%、OPPOが8.3%、Vivoが6.8%となっている。OPPOとHUAWEIの争いは特に熾烈で、アップルは両社に迫られている。

 高価格、高機能なiPhoneの展開がグローバルで陰りを見せつつある中で、アップルはスマートフォン市場のボリュームゾーンである廉価端末についてどう考えているのだろうか。これについては、ブランドがコアコンピタンスでもあるアップルが安易に価格競争に参入する可能性は低い。高付加価値や先進的なユーザー体験といった製品コンセプトは続くものと思われる。

 Xaomiなどは、低価格を武器にしながら、カメラやディスプレイの性能をライバル機種に迫る水準まで磨き上げた端末を投入してきている。さらにクアルコムの最新プロセッサ(Snapdragon 835/845)を搭載した端末、AIエンジンを搭載した端末の販売をアナウンスしている。アップルやサムスンは、ソフトウェアやサービスの品質、洗練されたブランドイメージなどのアドバンテージはあるものの、機能面での差は確実に縮まっている。

 数多のIT機器や家電製品と同様、スマートフォンの機能的な飽和が始まっているとしたら、アップルの差別化戦略はどうあるべきなのだろうか。満を持して投入したiPhone Xが不振のなか、iPhone後の世界をアップルはどのように見通しているのか。

iPhone後の世界、アップルの戦略

 まず考えられる戦略は、より高付加価値な製品に注力し、ロイヤリティの高い市場を狙う戦略だ。この場合、販売数量や市場シェアよりも売上金額や利益率で勝負する。単価が高く、確実に利益が出るなら数は追わない。スマートフォンという、コモディティ化が進むレッドオーシャンでの生き残り戦略のひとつだ。しかし、この戦略はともすると規模の縮小という痛みも伴う。アップルの場合は、セミファブレス企業といえるので、生産拠点の調整はしやすい。