米国の内需の強さ
浮かび上がる
2018年も内需をエンジンに米国経済の拡大は続きそうだ。堅調な経済状況を受けて、現時点で3回が多数派の予想である、FRB(米連邦準備制度理事会)の今年の利上げ回数が、4回となる可能性も出てきた。
1月26日に発表された米国の10~12月期のGDP(国内総生産、速報値)は、前期比年率2.6%増となった。夏から秋にかけてのハリケーンの被害を受けたことで、「住宅の復興需要、自動車の買い替え需要が発生し、0.4%は成長率が押し上げられた」(小野亮・みずほ総合研究所主席エコノミスト)。にもかかわらず、7~9月期の同3.2%増から低下した。
だが、中身をみていくと、米国の内需の強さが浮かび上がる。
10~12月期は、在庫投資と外需で1.8%(在庫、マイナス0.67%、外需マイナス1.13%)の成長率押し下げ要因だった。在庫投資以外の、個人消費、設備投資などの内需で4.4%成長率を押し上げた。統計のあやだが、在庫が減少すると成長率にマイナスに働くである。
逆に、7~9月期は。外需と在庫投資で1.15%(在庫0.79%、外需0.36%)の押し上げ要因となっていた。在庫以外の内需の成長率の上げ幅は2.45%。「内需強さが増している」(窪谷浩・ニッッセイ基礎研究所主任研究員)ことがわかる。