ドリルを作ったり売ったりする前に、消費者が本当に欲しいのはドリルではなく「穴」であることを明確に理解しておかなくてはならない。howを考える前に、whoやwhatを突き詰めて考えて明確にするということ。

 そして、自分の会社の強みを知ること。これは我々の認識によって相当に可変する領域でもあります。己の強みをどう定義するのかは、競争戦略の要となる概念です。

 この3点が見えてきたら、今度は、自分が直面している環境において「この3つを結びつけるための戦略」を考えます。

 これもまた決して難しい話ではなく、戦略とは「選ぶこと」です。つまり、「何をやって、何をやらないのか」を決めるのです。

 これがマーケティングの基本。原理原則は、大企業でも、中小企業でも、個人のキャリア形成においても同じです。マーケティングに関する知識も、経験もなく、予算もないというのなら、まずはこれをやってみてください。

 もちろん、決定した戦略がうまくいくこともあれば、うまくいかないケースもあるでしょう。でもそれは、どんなマーケターでも同じです。失敗しても、その失敗を踏まえて新しいトライをする。その試行錯誤のなかで経験値が上がり、ヒットの確率が上がっていくのです。

 このようなマーケティングの基本プロセスを辿っていくだけでも、自分の会社において「やるべきなのに、やっていないこと」「やらなくていいのに、やっていること」が必ず見つかるはずです。

「変えてはいけないもの」「変えてもいいもの」の見極め方

 すでに述べた通り、経営者を始め多くのビジネスマンは「何が売れるのか?」をすぐに考えてしまいます。「今、何が売れているか?」と考えると言い換えてもいいでしょう。

 しかし、この「売れている」というのは、あくまでも現象であって、現象に振り回されると、マーケティングの本質を見失います。