AIと自動運転分野で急激に存在感を増している米エヌビディア。12月に来日したジェンスン・フアンCEOに事業の将来像を聞いた。
──現在の注力事業は。
データセンター向けのビジネスは年間売上高が200%伸びている。本来AI(人工知能)がモノを学習する際に必要となる数千台のサーバーが、エヌビディアのわずかな数のGPU(画像処理用プロセッサーユニット)で代替できるからです。また、現在の事業規模は小さいものの、自動運転はこれまでの歴史上最大の産業になると確信しています。
未来の車はソフトウエアで造られるようになる。これには大きなコンピューティング能力が求められますが、他の全てのコストを削減でき、あたかもスマートフォンのように新機能を無料で手に入れることができる。
そして、こうした車はより多くのサービスを顧客に提供し、カネを生むことができる。携帯電話業界はスマホの普及で歴史上市場規模が最大になりましたが、これはソフトウエアが生み出す価値が大きくなったからで、ハードウエアの価格が高くなったからではない。車でも同じことが起こります。
自動運転の対象は車のみならず耕運機、ブルドーザー、掘削機などあらゆる動く機械に及びます。実現のためには非常に高速なセンサーとその信号を分析するコンピューターが必要で、完成形はまだ存在しません。だがわれわれのAIやコンピューティングの技術を低消費電力と低コストで達成する能力で、そんなコンピューターを作ることができると考えています。