株価急落で、むしろ日米で息の長い景気拡大が期待できる理由Photo:Rodrigo Reyes Marin/AFLO

株価が急落したことで
米国経済はむしろ安定

 米国で長期金利が上昇し、それを契機として割高だと言われていた株価が急落した。筆者は市場予想屋ではなく、景気予想屋なので、その視点から今の局面を見つめると、米国経済のファンダメンタルズが自動調節機能を果たしている“望ましい姿”が見えてくる。

 株価や金利の先行きについて、様々な見方が交錯しているようだが、その際にファンダメンタルズが安定している、ということを念頭に置いた議論を期待する。

 景気が拡大を続けると、遠からず景気が過熱してインフレになりかねないが、このインフレというのが厄介な代物だ。

 というのも、人々がインフレがくると予想すると、買い急ぎが生じるので実際にインフレになってしまう。すると、さらに熱心に買い急ぎをする人々が増えてしまい、その結果、悪循環が生じてインフレが加速してしまう可能性があるからだ。