「採用のトレンドは、“どこに出すか”から“どうつながるか”へとシフトしています」
これはLINEやInstagramを活用した採用管理ツール「らくるーと」を提供する、アイシス代表取締役、政平秀樹氏の言葉だ。
「らくるーと」は、エントリーから選考、内定者フォローまで──全てのやりとりをLINE上で完結できるのが特長だ。
なぜ採用管理でLINEが有効なのか?
「就活ナビサイトは、ログインしてからでないとメッセージを読めない。就活生にとってはそれだけで手間なんです」(政平氏)
就活生のメールボックスは、多くの企業からの未開封メッセージで埋まっている。志望度の高い企業からのものだけを優先的に開封するのが実情だ。
「でもLINEなら確実に見ますし、すぐに返信もできる。いまの学生は“スマホとLINEが当たり前”のデジタルネイティブ世代。LINEは最も慣れ親しんだコミュニケーション手段なんです」
たった一手間の「ログイン」が、読まれるかどうかの大きな分かれ道になる。
実際に「らくるーと」を導入した通信系企業では、説明会から選考参加への推移率が19%アップ。
教育系企業では内定承諾率が前年比195%に向上するなど、顕著な成果が表れている。
こうした成果は特定の業界に限らず、製造・小売り・ITなど幅広い分野で再現されており、導入企業の多くが「LINEでつながるだけで採用が変わった」と口をそろえる。
“売り手市場”時代に求められるのは“つながり”
「従来の採用手法を続けるだけでは、優秀な人材と接点を持つこと自体が難しくなり、“採用できないリスク”を抱えることになります」
採用市場は依然として“超・売り手市場”。優秀な人材の獲得競争は一層激化している。
アイシスが行った調査によると、就活生の8割近くがSNSを活用しており、その中でもLINEが圧倒的に多い(88.3%)。
就活生とLINEでつながり、選考をLINE上で完結させる──それは時代に合った合理的な戦略だ。
“距離を縮める”エントリー設計
まず、会社説明会やナビサイトのサンクスメールなどでQRコードを提示し、候補者にLINEの友だち追加を促す。
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登録後は自動応答によるトークが始まり、エントリーがスムーズに完了。母集団形成もスピーディーかつ容易になる。
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エントリーシートの提出、説明会・面接の予約、問い合わせ対応──全てをLINE上で完結できる。
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スタンプや絵文字を交えた自然なコミュニケーションは、企業と学生の心理的な距離を一気に縮める。
「就活生は、給与や待遇だけでなく、“企業の考え方に共感できるか”“先輩社員や社風になじめるか”を重視しています」と政平氏は指摘する。
「らくるーと」は、単なる採用管理ツールではなく、企業と学生を“信頼と共感”でつなぐコミュニケーションプラットフォームだ。
「待遇面での差別化が難しい企業にとって、“つながりの質”こそが企業価値を底上げする鍵です。採用活動を通じて築かれた信頼と共感は、入社後のエンゲージメントや定着にも直結します」
アイシス代表取締役政平秀樹氏
効率化が“人に向き合う時間”を生み出す
「らくるーと」の導入は、採用担当者の業務効率化にも直結する。
特に効果が大きいのは、説明会や面接の日程調整だ。
「何月何日13〜18時の1時間ごとに3人ずつ」──こう設定するだけで、候補者が空き時間を選び予約できる。
ダブルブッキングは発生せず、GoogleカレンダーやZoomとも自動連携。URLの送信も自動化される。
定型文の自動応答、リマインド、AIによるメッセージ下書き提案など、機能は多岐にわたる。
また、リッチメニューのデザインもらくるーとが提供する独自ツールで採用担当者が簡単にフルカスタマイズできる。
「複数のナビサイトや媒体に分散していたやりとりが『らくるーと』に一元化され、業務の多くが自動化されるので大幅に省力化されます。導入企業では、採用担当者の作業量が50%削減されたという実績もあります」
作業時間が減れば、候補者と向き合う時間が増える。
その結果、より丁寧な選考と深い関係構築が可能になるのだ。
採用を“経営戦略”に――DXが変える採用の未来
政平氏は「採用はもはや、人事部門だけの仕事ではありません。経営戦略の中核に位置付けるべきテーマです」と強調する。
人材の確保と育成は、企業の成長を左右する最大の経営課題。
「これまで多くの企業は、人事や会計などのバックオフィスにはIT投資を行ってきたものの、採用業務へ投資する企業は少なかった」
DX(デジタルトランスフォーメーション)やAIを活用し、“人に向き合う時間を生み出す”──それこそが、デジタル導入の本質だという。
「らくるーと」は、採用現場の業務を効率化しながら、人と人との「つながり」を深める。それは、変化の激しい時代において、“採用力”を“経営力”へと変えるためのツールである。
“人を引き付け、つながり続ける企業”こそ、これからの時代を生き残る企業である。
「らくるーと」は、そうした企業への第一歩を、誰でも・すぐに・確実に踏み出せる仕組みを提供している。


