遺産が少なかろうと仲が良かろうと
もめるときはもめる

「いやいや、遺産でもめるのは、もともときょうだい仲が悪かったからでしょ? 家族円満が自慢のわが家にはやっぱり関係ない」と思うかもしれない。

 しかし、相続の現場を数多く見てきた専門家たちは「親の生前は仲が良かったにもかかわらず、いざ遺産分割の段になってきょうだいが大バトルを繰り広げるケースは珍しくない」と口をそろえる。

 親が生きているうちには言えなかった不満が、親の死と同時に一気に噴出することも少なくない。

「お前は日頃からおやじに小遣いをもらっていた」「兄さんだって、自分だけ大学に行かせてもらったくせに」など、長年お互いに抱いてきた不公平感を親の遺産で取り戻そうとし、遺産分割協議でもめにもめてしまうというわけだ。

「金のことでもめるような育て方はしていない」「きょうだい仲良くと言ってきたつもり」と、親なら誰もが考えている。しかし、遺産が少なかろうと、いくら家族の仲が良かろうと、もめるときはもめる。それが相続の現実だ。

 あなたが死んだ後、天国から子どもたちがもめているのを見てからではもう遅い。自分の家族を争族から守るには、一体どうしたらよいのだろうか。

遺言書だけでは火種が残る可能性も
手紙も付ければ完璧

 争族を未然に防ぐためには、やはり遺言書を残しておくのが最善の策となる。故人の遺志が明確であれば、その内容に多少の不満はあったとしても、納得感が得られやすいし、相続人それぞれが勝手な主張をするより、もめるリスクはずっと少なくなる。

 遺言書には、相続人それぞれにどんな種類の財産を残したいのかを具体的に書いておくこと。