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山崎元のマネー経済の歩き方

運用からどのように降りるといいのか

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第213回】 2012年2月13日
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 投資家のブログとして有名な「梅屋敷商店街のランダムウォーカー」を見ていたら、運用の「出口戦略」についての議論が盛り上がっていた。ブログ管理者の水瀬ケンイチ氏は、「出口戦略」という言葉に対して、投資家が満足しながら投資を引き揚げる一般的方法があるような過剰期待を持たないほうがいいと注意しているが、筆者もこの意見に同意する。

 出口戦略という言葉に投資家が期待するイメージは次のようなものだろう。「投資は長期で行うなら、ほぼ必ず(現実はそうとは限らないが)儲かるはずだが、高齢になったときには、今後に下げ相場があった場合に後悔するだろうから、リスク資産のポジションを段階的に縮めるのがよく、そのための一般的な方法が出口戦略だ」。

 高齢になると、「後悔回避」への意識が強まることは想像できる。だから、リスクへの拒否度が年齢とともに大きくなることはありうる。必要な資産ができたら、もう余計なリスクは取りたくないと考えている人もいるに違いない。だが、高齢になるとリスク資産への投資を縮小するという行動が必ずしも合理的だとは限らない。

 高齢であるということのファイナンス的に大きな意味は、今後に自分で働いて稼ぐ機会が制約されるということだろう。だから、高齢になっておおむね十分な資産を確保している場合、リスクを回避しようという考え方はありうる。

 他方、高齢であることのもう一つの特色は、今後に自分と家族を養うのに必要な財力が、若い頃よりも小さいし、見通しやすいということでもある。つまり、ライアビリティ(負債)が小さいのだ。すると、ライアビリティを十分上回る資産を持っている場合、その資産の運用にあって、リスクテークにはかなりの余裕があると考えることができる。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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