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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

景気情勢の方向感は「上」か「下」か
――熊野英生・第一生命経済研究所
経済調査部 首席エコノミスト

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト],島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト],高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト],森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]
【第53回】 2012年2月8日
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米国で始まった「前向きな変化」
世界の景気は底入れに向けたシグナルを

 景気は底入れに向けたシグナルを発し始めている。もちろん、円高や欧州財政問題などは、なおも大きなリスクとして重石になり、持続的な回復へとつながるかどうかの見極めには今しばらく時間がかかる。

 虚心坦懐に、先行指標となりそうなデータを見ていこう。まず、米国では、雇用統計とISM製造業・景況指数が上向く変化を見せている(図表1参照)。

 正確に言えば、両指標ともにすでに2011年11月のデータから底入れしていたが、それが単月のブレなのかどうかがわからなかった。2月時点で、データの方向感が底入れを見せ始めたことで、ある程度の蓋然性が高まったと言える。

 米国では、クリスマス商戦が堅調に推移したことで、10~12月の実質GDPは前期比+2.8%と前期(+1.8%)、前々期(+1.3%)の拡大ペースを上回っている。これは、長期金利が秋以降に低下し、FRBの金融緩和が浸透してきた影響が、住宅投資や耐久消費財消費に効果を及ぼしているという解釈ができる。

 前向きな変化は、米国のみならず、欧州でも日本でも少しずつ確認されてきている。最も慎重に見られている欧州でさえも、2011年末あたりから製造業のPMIが反転する変化がある。

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熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。

島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト]

しまもと・こうじ/1990年、東京大学卒業、日本興業銀行入社。調査部門で金利分析や経済予測を担当。2000年からBNPパリバ証券で投資調査本部長兼チーフストラテジストとして金融市場予測を担う。日本経済新聞社の債券アナリスト・エコノミスト人気調査の債券部門では06、08年に1位。金融庁の金融市場戦略チームや金融税制研究会、行政刷新会議の事業仕分けなどに参加。

高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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