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 そこで、Bさんはあるインストラクターと出会うこととなる。Bさんの約ひと回り年下、割とおとなしめなBさんの夫に比べてやや活発な印象の既婚男性であった。このときBさんは久しく感じたことのなかった胸の高まりを自覚した。「この人だ!」的なビビッとしたものを、夫以外の相手に感じてしまったのである。

「トキメキこそ感じましたがそもそもこちらも既婚の身、それ以上の関係を望めばおのずと不倫になります。『私みたいなおばさんが相手されるはずない』と思うことは女として切ない一方で、『それ以上進むはずがない』という安心感にもつながっていました」

 芽生えかけた恋心を胸にしまい、Bさんは週3回きっちりと通った。くだんのインストラクターとの触れ合いがあればやはり心は高鳴ってしまう。片想いを秘めたBさんの日常は刺激的なものに変わっていたが、具体的にどうこうするつもりはなかった。以前より身なりに気をつかうようになった程度である。浮つく一方で、そんな自分を冷静に客観視するBさんもいて、「そのうち(片想いすることにも)飽きるだろう」と分析していた。

 フィットネスクラブに通い始めて半年ほど経った頃、そこで知り合った10名ほどが参加する親睦会が開かれた。インストラクターの男性もそこに参加していて、会はおおいに盛り上がった。そして2次会へと向かう道中、Bさんとその男性がたまたま2人きりで話す形となった。

 会話の中で男性はBさんに「キレイです」「Bさんに教えているときが一番楽しい」などと言葉をかけた。早い話が口説いたわけである。Bさんは抑えていた気持ちを爆発させてしまい、一行の目のつかない物陰に隠れてキスを…。