いざ親が介護状態になったとき、自宅で面倒をみるか、施設に預けるかは、働きながら親の面倒を見ようと考える人にとっては特に関心のあるテーマだろう。一方、ニュースでは介護業界の不祥事が目につくため、信用できないと感じているビジネスパーソンも多いのではないか。そんな現状に警鐘を鳴らすのが、最近『もし明日、親が倒れても仕事を辞めずにすむ方法』(ポプラ社)を上梓したNPO法人となりのかいご代表理事の川内潤氏。自宅か、施設か。親の「終の棲家」選びで失敗しないための5つのポイントを紹介してもらった。

「ここまでやったら許される」という境界はない

介護の負担は時間が経てば経つほど重くなります。介護される親も、当初はなんとか自分でできていたことが、だんだんできなくなってきます。

そんなときに、ご家族からよく相談されるのは、「どの状態になったら施設に入れていいんでしょうか?」ということ。言い換えるなら、「どこまでやったら私たちは許されますか?」ということです。しかし残念ながら、「ここまでやったら許される」という境界はありません。
そもそも、「どこまでやったら許されるか」という発想をしているうちは、本当の意味で親御さんのためになる介護は実現できないでしょう。誰かに許してもらうために家族の介護をしているわけではないからです。

親が安心して人生の最後の時間を過ごし、穏やかな気持ちで最期を迎えるために、いちばんいい選択肢はなんなのか。それは自宅なのか、施設なのか。
もちろん100%望みをかなえることはできません。自分たちにできる範囲で、最良の選択肢はなんなのか。それを考え続けるのが介護です。