自分が愉しみながら
自分のモノを断捨離する

では、どうしたらいいでしょう?

これには極意があります。

自分自身が愉しみながら、自分のモノを断捨離していくのです。

「断捨離ってすごい!」「やり始めたら、ココロまでスッキリしてきた!」などと愉しそうに取り組む様子が伝われば、相手のココロも氷解してきます。

愉しんでやっている姿にこそ、訴える力があります。

また、「これ、捨ててよ!」ではなく「お気に入りを選んでね」といった言葉の伝え方も大切です。

私たちは、「お互いの価値観を尊重しよう」という思いやりの欠如から、自分の価値観を押し付けてしまうから。

ですから、相手を責めそうになったら、まず「なぜ彼(彼女)はこういう行動を取るのだろう?」と考えてみます。

そして、相手に「~してほしい」という期待はできるだけ手放していくこと。

これは、完全には難しいのですが、「あ、今、私は相手に過度な期待をしているな」と意識するだけでも、相手への思いやりが芽生えるものです。

私たちが抱く悩みの多くは人間関係に起因していますが、じつは、悩みを生むベースとなっているのは“相手への一方的な期待”であることがほとんど。

つまり、自分の価値観を過剰に相手に押し付けているのです。

これは、相手への愛情・愛着とセットですから、家族や恋人など近い関係であるほど湧き起こります。

そうした感情は、それ自体を手放そうと心がけても、目に見えない心の領域ですから、簡単にはいきません。

だからこそ、モノの断捨離を通じて、相手に対する期待や執着を少しずつ手放していくトレーニングを積むのです。

相手に期待したり、相手を責めたくなったりしたら、「まずは自分」を意識して自発的に行動を起こしていく。

その積み重ねによって、私たちは相手との距離の取り方を学び、人間関係の悩みを手放すことができるのです。

そんな事例をご紹介します。