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三谷流構造的やわらか発想法

非日常からの発想
~準極限状態におけるコミュニケーション能力
小松空港と2人の小学生

三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]
【第28講】 2012年2月21日
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大雪の小松空港。
全日空機は飛びたてるのか!

 ちょうど20日ほど前、高速バス車中で8時間の乗客ウォッチングを敢行しました。大雪だったので仕方なく、でしたが本人としても結構楽しめました。その上、6400文字にもなるダイヤモンド・オンライン記事となり、時節柄、当コラムでは『「ペンギン、カフェをつくる」のエンピツ問題』や『スティーブ・ジョブズは、本当は何に優れていたのか』『ナウシカが真に戦った相手とは』を抜く、断トツのページビューを集めたようです。

 ということで(?)今回も、北陸での大雪話から。

 10年ちょっと前のお正月、上の娘2人と小松空港(*1)に「い」ました。トム・ハンクスの『ターミナル』(*2)じゃあるまいし、空港は住むところでも「いる」ところでもありません。飛行機に乗るために、通過するところです。

 でもわれわれ3人は、もう5時間、ロビーで全日空機の出発を待っていました。大雪のために、そもそも羽田からの飛行機が到着せず、当然、羽田行きの飛行機も飛び立つわけがありません。

 学校の関係でその日のうちに帰りたかったので、これまた仕方なく待ち続けていました。われわれの後の便(ボーイング747!)は早々にキャンセルされ、数百人のヒトたちがロビーからカウンターに殺到します。明日朝の便を確保し、かつその夜の宿を確保するために。

 でもわれわれは一縷の望みに賭けていました。ここは数少ない航空自衛隊との共用空港です。小さい空港(*3)だけれどILS(計器着陸装置)だってついています。管制業務も自衛隊が行っています。多少の雪になんて負けないはず!

 全日空機は6時間遅れの夜8時、ついに出発を決断し、乗客を機内に載せて滑走路へと動き出しました。雪は一瞬、小降りになっていました。今こそチャンスです。

決死のJAL機に阻まれ…

 ところがそのとき、その隙を狙っていた飛行機がもう一機いました。東京からのJAL機です。上空で旋回を繰り返していたJAL機は、そのチャンスに強引に小松空港への着陸を果たしました。

*1 正式には小松飛行場。郷里の福井空港は定期便がなく、福井県人は米原経由の新幹線か、石川県の南に位置する小松空港経由で東京に向かう。
*2 原題は『The Terminal』。母国でのクーデターのため、米国JFケネディ空港の国際線ロビー内に住み着くことになった異邦人(トム・ハンクス)の物語。スピルバーグ監督、2004年作品。
*3 と言っても、本州日本海側の空港では乗降客数(約250万人)が最も多い。

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三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]

1964年大阪生まれ、福井育ち。小1のとき読書と読みかじりを人に教える快感に目覚め、駿台予備校では教えることの技術に衝撃を受ける。東京大学 理学部物理学科卒業後19年半、BCG、アクセンチュアで戦略コンサルタントとして働く。2003年から06年までアクセンチュア 戦略グループ統括。途中、INSEADでMBA修了。
2006年から教育の世界に転じ、社会人教育と同時に、子どもたち・親たち・教員向けの授業や講演に全国を飛び回る。「決める力」「発想力」と「生きる力」をテーマに毎年8000人以上と接している。現在K.I.T.(金沢工業大学)虎ノ門大学院 主任教授(MBAプログラム)の他に、早稲田大学ビジネススクール、グロービス経営大学院、女子栄養大学で客員教授、放課後NPO アフタースクール及びNPO法人 3keys 理事を務める。永平寺ふるさと大使。
著書多数。『一瞬で大切なことを伝える技術』(かんき出版)は啓文堂書店2012ビジネス書大賞、『経営戦略全史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はダイヤモンドHBRベスト経営書2013第1位、ビジネス書大賞2014大賞、『ビジネスモデル全史』(同)はHBRベスト経営書2014第1位となった。
HPは www.mitani3.com

 

 


三谷流構造的やわらか発想法

発想法ってなんのために存在するのでしょう? ヒトと違うアイデアや答えを出すためです。統計的に有意な戦略なんて、定義により無価値ですし、統計的に正しい発想法なんてあるわけがありません。発想に「普遍性」や「高確率」を求めるなんてそもそも矛盾しているのです。発想法も、然り。これまでと違うものを生み出すには、新しい発想法がいま求められているのです。

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