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人を助けるすんごい仕組み
【第3回】 2012年2月22日
著者・コラム紹介バックナンバー
西條剛央

【第3回】
組織の不合理はなぜ起きるのか?
――合理的に議論するための原理とは

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東日本大震災の復興支援活動で、糸井重里氏も驚くほどの成果をあげている一人の学者がいる。西條剛央(37)。ボランティア経験なしの早大大学院(MBA)専任講師で、「ふんばろう東日本支援プロジェクト」代表だ。
Amazonの「ほしい物リスト」を援用し、2万4000個の物資を被災地へ届けたり、「重機免許取得プロジェクト」で計200人以上の免許取得者を出したりと、誰も思いつかないアイディアを実行。行政や日本赤十字社もできない支援の仕組みに注目が集まっている。
猪瀬直樹東京都副知事、柿沢未途衆議院議員から、GACKT氏、宮本亜門氏、市村正親氏、大竹しのぶ氏、木村佳乃氏、佐藤隆太氏、成宮寛貴氏、藤原紀香 氏、別所哲也氏、松田美由紀氏、南果歩氏、森公美子氏、森山未來氏など、事務所の垣根を越え、有名人からも続々支援の手が差し伸べられているのはなぜか。『人を助けるすんごい仕組み』を発刊したばかりの著者に、第3回は「組織の不条理はなぜ起こるのか」について聞いてみた。

西條剛央(さいじょう・たけお)早稲田大学大学院(MBA)専任講師(専門は心理学と哲学)。1974年宮城県仙台市生まれ。「ふんばろう東日本支援プロジェクト」代表。 自身が創唱した構造構成主義を用いることで、ボランティア未経験ながら、日本最大級のボランティア・プロジェクトへと成長させる。 遠方からでも参加できる新たな仕組みを作ることで、3万回以上の物資支援や、2万5000世帯以上への家電支援を実現。主著に『構造構成主義とは何か』など。

――なぜ、そんなにたくさんのプロジェクトを思いつくんでしょうか?

西條 やはり、ゼロベースでその都度、有効な方法をつくれる「構造構成主義」の考え方がかなり役立ったと思います。

――いろいろなビジネス書でも「ゼロベースで考える」ということは謳われていますが、私なんかはゼロベースだと何も考えられなくなるんですが(笑)。そういう人は、どうすればいいのでしょうか?

西條 お気持ちはわかります(笑)。ゼロと言われても……ってなりますよね。

 ゼロベースといっても、構造構成主義の場合は、何の足がかりもなくゼロから考えるということではないんです。構造構成主義は「方法とは何か」「価値とは何か」ということから考えるんです。

――方法とは何か?……

西條 その問いに答える、すべての“方法”と呼ばれるものに共通する理路が「方法の原理」です。それによれば、方法の有効性は、(1)状況と(2)目的に応じて決まる、ということになります。まず、正しく「状況」を把握することが大事です。たとえば「ふんばろう東日本支援プロジェクト」が立ち上がる前にも、被災者とのマッチングサイトがあったわけですが、多くは支援を受ける人が自分でパソコンを使って登録されている物資を選んで受け取るような仕組みなんですね。

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西條 剛央(さいじょう・たけお)
早稲田大学大学院(MBA)専任講師(専門は、心理学と哲学)。「ふんばろう東日本支援プロジェクト」代表。
1974年、宮城県仙台市生まれ。早稲田大学大学院で博士号(人間科学)取得。「構造構成主義」という独自のメタ理論を創唱。この理論を用い、「ふんばろう東日本支援プロジェクト」を立ち上げ、ボランティア未経験ながら日本最大級のボランティア・プロジェクトへと成長させる。
「物資支援プロジェクト」では、2012年1月時点で3000か所以上の避難所、仮設住宅等に、15万5000品目に及ぶ物資を支援。また、アマゾンの「ほしい物リスト」を援用することで2万4000個以上の支援を実現。さらに岐阜県、愛知県、宮城県、福島県、大分県、大阪市、仙台市、横浜市で行き場をなくした10tトラック40台分以上もの膨大な物資を被災者へマッチング。「家電プロジェクト」では、行政や日本赤十字社の支援が受けられない個人避難宅をはじめ、2万5000世帯以上に家電を送った。その他、自立支援を目的とした「重機免許取得プロジェクト」「ミシンでお仕事プロジェクト」など様々な支援を始動し、継続中。


人を助けるすんごい仕組み

「岩をも動かす理屈はある。~震災の状況だけでなく、あらゆる仕事の場で役に立ってしまう本になったと思う」と評した糸井重里氏。ボランティア経験なしの早大大学院(MBA)専任講師が、日本最大級の支援組織「ふんばろう東日本支援プロジェクト」をどうつくったのか? 行政や日本赤十字社もできない支援から今後の有事に活かす仕組みまで大胆提案!GACKT氏、宮本亜門氏、猪瀬直樹氏、AMAZONなどからも支援の手が!1000人超の組織を無給で運営する秘密、トラブルを減らす7か条まで一挙公開!

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