西條 支援してくださった方に、ちゃんと支援が届いたんだ、喜んでもらえているんだということを実感してもらうために「絆ハガキ」といって、こうした返信用ハガキを添付して送っているんです。

――舞台裏にはすごいドラマチックな物語があるんですねえ。先生がMBAで講義をしていたことにも意味があったんですね。

西條 改めて早稲田のMBAで教えててよかったと思いましたよ(笑)。

 その他にも、内田和成教授をはじめとするMBA教授陣による「早稲田ビジネススクールチャリティ講演」で集めた100万円を寄付していただいて、そのおかげで「ミシンでお仕事プロジェクト」の第1回の講習会を開いて現地のお母さん方にミシンごとお渡しすることができたんです。

 その様子が前にも見ていただいたこの映像です。

<動画1 「ミシンでお仕事プロジェクト」の風景>
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 3.11のチャリティイベントの運営資金がなくて困っていたときも、学生でもあり社長でもあるお二人が100万円ずつ寄付を申し出てくれたり、何よりも助かったのは、「ふんばろう」を立ち上げたときに、もう本当に大変だったのですが、昨年度の受講生たちが「ふんばろう」のど真ん中に立って、運営を手伝ってくれたことです。これがなければ、ツイッター上で立ち上がって、本部もないまま、何千という避難所に支援を広げていくことはとてもできなかったと思います。

――先生のご人徳ですね。

西條 いえ、そんなことはないですが、何か自分にできることがないだろうかと思っている人がたくさんいて、この活動を応援してださった、ということなんだと思います。物資を送ってくれる人、家電を買ってくださる人、ツイートをリツイートしてくれたり、フェイスブックの記事をシェアしてくれる、本当にたくさんの人がいたおかげですね。

『人を助けるすんごい仕組み』は、南三陸町に行き、プロジェクトを立ち上げていく過程をノンフィクションで描きながら、構造構成主義の考え方を伝えており、最終章では、今後の大規模災害に備えて、行政や日本赤十字社、日本社会への様々なアイディアを提言しています。


――ダイヤモンド社内や書店員さんの中でも、徹夜で読む人が続出してかなり話題になっているようですね

西條 僕は、この本が多くの方に読まれることで、これから起こる震災の被害を最小化させ、哀しい思いをする人を減らしたいと願っています。そして、子どもたちのために希望を持てる未来を拓くことこそが、僕らの役目だと思っています。そのために、この本の印税は全額寄付させていただきますし、本書を通して社会を変えていく『チャリティーブックプロジェクト』というのを始めましたので、本を読んで何かを感じられた方はぜひツイッターやフェイスブックで広めていっていただきたいですね。心から出てきた言葉で書いたものは必ず伝わると思うので。

 最後に、2011年9月25日の「ふんばろう」チャリティイベントでの
チームドリーム(Vo.土居裕子さん)のライブで流された映像をご紹介します。

<動画2 「ふんばろう」チャリティイベントでのライブ映像>
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――私もいま自分の立場でできることをしていこうと思います。そのためには、我々としては先生の活動や考え方のすべてが書かれている『人を助けるすんごい仕組み』を多くの人に知っていただくことだと思うので、精一杯がんばりたいと思います。本当にありがとうございました。


「ふんばろう東日本支援プロジェクト」チャリティイベント
『3.11 縁から絆へ~ずっと忘れない』緊急開催のお知らせ

日  時|2012年3月11日(日)14:30開演(14:00開場)
会  場|ザ・ガーデンホール(恵比寿ガーデンプレイス内)
出  演|トーク:西條剛央、宮本亜門 ライブ:大貫妙子、沖仁、cocoon
料  金|3,900円(全席指定・税込)
予  約|ネット上で簡単予約できます。お申込みはこちら→チケットぴあ
※ホールロビーにて被災地支援に関する展示や物販を行います(13時~19時、入場無料)
※イベントの日時・時間については急な変更等ある場合がございます。
※定員になり次第、チケットの発行を終了させていただきます。
なお、当サイトでのチケット完売のご案内は遅れる場合があります。
残席がわずかとなっておりますので、いますぐお申し込みください。


【関連サイト】
ほぼ日刊イトイ新聞「西條剛央さんのその後とこれから」
ふんばろう東日本支援プロジェクトHP
本で社会を変えよう!チャリティーブックプロジェクト
・1か月にランチ1回分(1000円)からの支援の新しいカタチ「ふんばろうサポータークラブ」
・マンガ・イラストチャリティーオークション


【おかげさまで第3刷! 新刊のご案内】
『人を助けるすんごい仕組み~ボランティア経験のない僕が、日本最大級の支援組織をどうつくったのか~』

【最終回】<br />「チャリティブックプロジェクト」は<br />いかにして生まれたのか?

「あらゆる仕事の場で役に立ってしまう本になったと思う。」――糸井重里
アマゾンの「ほしい物リスト」を援用し、2万4000個の物資を被災地へ届けたり、「重機免許取得プロジェクト」で計200人以上の重機免許取得者を生み出したりと、行政や日本赤十字社もできない支援の仕組みから、1000人超の組織を無給で運営する秘密、トラブルを減らすための7か条まで、ぜんぶ一挙に公開!大反響!糸井重里氏との対談『西條剛央さんの、すんごいアイディア。』も著者視点で新収録!ぜひご一読ください。

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西條剛央(さいじょう・たけお)
早稲田大学大学院(MBA)専任講師(専門は心理学と哲学)。1974年宮城県仙台市生まれ。「ふんばろう東日本支援プロジェクト」代表。
自身が創唱した構造構成主義を用いることで、ボランティア未経験ながら、日本最大級のボランティア・プロジェクトへと成長させる。
遠方からでも参加できる新たな仕組みを作ることで、3万回以上の物資支援や、2万5000世帯以上への家電支援を実現。主著に『構造構成主義とは何か』など。