後期高齢者が増える「重老齢社会」到来、定年の廃止が喫緊の課題だ

重老齢社会到来は時間の問題

 現在、65歳以上の国民が高齢者と呼ばれているが、65〜74歳の「前期高齢者」と、75歳以上の「後期高齢者」に分類されている。寿命が長くなっているのはいいことなのだが、後期高齢者の数が前期高齢者の数を上回る状況が目前に迫っている。

 総務省の人口推計によると、2月1日時点で、前期高齢者が1766万人、後期高齢者が1764万人であり、後者が前者を上回るのは3月か、あるいは4月かという“時間の問題”になっている。

 後期高齢者が、高齢者の多数を占める状況を「重老齢社会」と呼ぶ向きもある。

 近年、わが国では「人生100年時代」が流行語となっているが、寿命とともに、健康で他人の助けを借りずに過ごすことができる「健康寿命」も延びており、端的に言って、人が活発に活動できる時間が延びている。

 しかし、高齢化が急速に進む中で、わが国の制度や慣行は、必ずしもこれに追いついていないように思われる。

 では、「重老齢社会」に向かうわが国にあっては、何が必要なのかだろうか。