数多ある仮想通貨の中で、時価総額が約2兆5000億円で3位(仮想通貨情報サイトの「CoinMarketCap」参照、3月26日時点)を誇る「リップル」。その送金技術を応用して、金融機関向けに送金プラットフォームを提供しているのが米リップル社だ。日本でも、インターネット金融企業のSBIホールディングスと提携してプラットフォームの開発に取り組むなど、すでに全世界で100以上の金融機関と提携している。次世代の送金プラットフォームの覇権を狙うリップル社は、今後の展望をどう見据えているのか。週刊ダイヤモンドなどの取材に対して、ブラッド・ガーリングハウスCEO(最高経営責任者)兼代表取締役が胸中を語った。(「週刊ダイヤモンド」編集部 田上貴大)
――リップル社の送金プラットフォームについて教えてください。
私たちは、ブロックチェーン技術を活用して、国際送金という特定の分野における課題解決のためのサービスを提供しています。
これまで銀行の国際送金を担っていたSWIFT(国際銀行間通信協会)というインフラは、送金手数料が高く、決済に数日かかります。例えば、東京から私たちの本社があるサンフランシスコに送金するなら、現状では現金を持って羽田空港に行き、飛行機に乗って直接届けるのが一番速い送金手段なのです。
さらに、SWIFTは6%の確率で送金エラーが発生してしまうため、インフラとしての信頼性の低さも問題視されています。