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現場力を伸ばす先端IT活用の鉄則

“元気玉”IT、「ハドゥープ」は
IT投資余力のない企業の味方?!

安間裕
【第5回】 2012年3月14日
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 今回は、Hadoop(ハドゥープ)と言う新たなテクノロジーが生み出す、革新的ITとリアルタイム・ビジネスの実現について、書いてみたいと思います。

 Hadoopとは、これまで大型コンピュータ(メインフレームとかって言うこともあります)でないと難しかった「長時間バッチ処理」を、ジグソー・パズルのように小さく切り刻んで多数の安価なコンピュータに分散し、みんなで分担して高速処理してまたもとの組み合わせに復元する、という技術です。

 これって、ドラゴン・ボールZで、悟空が、世界中の動物たちのエネルギーを集めて膨大な力に変える「元気玉」に似ていると思います。そこで、このHadoop型のITを、ここでは“元気玉”ITと呼ぶことにします。

 ちなみに、「バッチ処理」とは、このコラムの第1回でも書きましたが、一定の期間に蓄積されたデータを、まとめて処理するものです。金融機関が、昼間は預金処理などを行い、夜間に給与振込等の銀行外とのデータのやり取りをまとめて処理するといった事例が代表的です。

 「今、しなくてもいいことを、後でまとめて」という意味では正しいと言えますが、本来リアルタイムで行うべきものを、コンピュータ性能やコストのせいで「あきらめてしまっている」ことに大きな課題があると、私は、思っています。

 最近、驚くべき事実を知りました。

 大型コンピュータを複数の小さなコンピュータに変え、コストダウンを図る「ダウンサイジング」という試みは、さすがに、一巡したと思っていたのですが、なんと、2010年度で、1台2億5000万円以上する超大型コンピュータだけでも、109台、620億円相当が新たに出荷されています。これには、結構、愕然としてしまいます。中規模の機器まで含めると、以下の数字になります。

 価格帯  台数(台)  金額(百万円)
 2億5000万円以上  109   62,262
 2.5億未満~4000万円以上  196  17,288
 4000万円未満  145  3,013

(出典:電子情報技術産業協会・産業別の詳細なデータはこちら

 このすべてが、「長時間バッチ処理さえなくなれば」というような単純な話ではないとは思います。でも、このうちのいくばくかは、“元気玉”ITを活用することにより、安価なコンピュータに置き換えられるのではと思っています。

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