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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

2012年は日本のGDP成長率が
G7でトップとなる可能性あり
――森田京平・バークレイズ・キャピタル証券
チーフエコノミスト

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト],島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト],高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]
【第57回】 2012年3月14日
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実体経済:
戻った「生産量」、戻らない「生産環境」

 震災から1年が経った。この間、被災地を中心に多くの難局に直面した。経済の観点に立つと、震災前に戻った指標、戻っていない指標がはっきりしつつある。

 戻った指標の代表は鉱工業生産(図表1参照)。直近発表された1月の鉱工業生産は、前月比+2.0%と市場予測を上回るスピードで増加した。しかも、同時に発表された2月、3月の製造工業生産予測指数は、いずれも前月比+1.7%と増産が見込まれている。

 この予測指数に基づくと、3月の生産は震災直前に当たる昨年2月の生産を0.7%上回る。こうした生産量の戻りを牽引した業種として、輸送機械、情報通信機械、化学などが挙げられる。

 一方、震災前とは姿が一変したのが貿易収支(図表2参照)。日本の貿易収支は震災直後の2011年4月以降、一貫して赤字が続いている。その結果、同年の貿易収支は1980年以来31年ぶりに2.5兆円の赤字となった。

 震災後しばらくの貿易赤字は、国内サプライチェーンの損壊による「輸出減少型」であったが、昨年10月頃からは、LNG(液化天然ガス)の輸入増に象徴される「輸入増加型」に転じた。背景は、原発の停止に象徴される国内のエネルギー制約、およびそれを受けたLNGなど代替エネルギーの輸入増だ。

 国内原発の全面停止が目前に迫る中、原油価格ひいてはLNG価格の上昇の可能性も踏まえると、輸入増加型の貿易赤字が少なくとも2013年いっぱい続いてもおかしくない。震災から1年が経ち、「生産量」こそ震災前に戻ったものの、「生産環境」は様変わりしてしまった。

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森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。

島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト]

しまもと・こうじ/1990年、東京大学卒業、日本興業銀行入社。調査部門で金利分析や経済予測を担当。2000年からBNPパリバ証券で投資調査本部長兼チーフストラテジストとして金融市場予測を担う。日本経済新聞社の債券アナリスト・エコノミスト人気調査の債券部門では06、08年に1位。金融庁の金融市場戦略チームや金融税制研究会、行政刷新会議の事業仕分けなどに参加。

高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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