フェイスブック流出問題で考える、個人データ悪用に備えることの重要性

フェイスブックショック

 米国のフェイスブック社が、大量の個人データを英国の研究機関に研究目的で提供し、そのデータが選挙コンサルタント会社に不当に横流しされて、米国大統領選挙に影響を与えたのではないかとの疑惑が大きな問題になっている。

 フェイスブック社が意図的に不正に関与したわけではないが、同社の個人データに関するポリシーと管理が問題視されている。同社の創業者でCEOでもあるマーク・ザッカーバーグ氏が謝罪コメントを発表する事態に追い込まれ、株価も下落し、この下落は株式市場全体にも小さからぬ影響を与えた。

 フェイスブック、アルファベット(グーグルの親会社)、アマゾン、アップルなどの事業規模も株式時価総額も大きな情報テクノロジー企業は、それぞれにユーザーの行動や嗜好などに関係づけることが可能な巨大な個人データを持っている。

 こうした企業の個人データは、個人にとって、また社会にとっても危険な利用のされ方をする可能性が懸念されるが、他方で、データの利用に関して制限が課されると、これらの企業及び関連する企業のビジネスに対して大きな制約となり、経済活動が縮小する可能性がある。

 どちらも心配な問題であり、仮に規制を強くしても緩めても、プラス・マイナス両方の影響が発生しそうだ。