森友・加計・放送法問題で唖然、官僚の「脇の甘さ」は治せるか森友、放送法問題に続き、とうとう加計問題まで再燃。政権を支える官僚たちは深刻なまでに脇が甘い
Photo:首相官邸HPより

 森友学園問題と自衛隊日報問題に加え、加計学園問題で官邸の関与を示唆する文書までもが出てきて、安倍政権は窮地に立たされた観があります。その一方、当連載で前回取り上げた放送改革については、安倍政権は放送法第4条の撤廃を諦めたようです。

 個人的には、森友問題、加計問題、そして放送改革という3つのトピックは共通して、政権・政府の深刻な問題点を示しているのではないかと感じています。

加計学園問題まで再燃して窮地に
メモの“内容”の真偽やいかに

 それを説明する前に、まず加計学園に関して新たに露見した文書に触れておきたいと思います。

 4月10日に朝日新聞と東京新聞が、当時総理秘書官だった柳瀬氏が愛媛県・今治市・加計学園の関係者と面談して“本件は首相案件”と発言したことを記した愛媛県職員のメモの中身を報道しました。

 その日のうちに、愛媛県知事がこの文書の存在を認めましたが、大事なのは、昨年文科省から流出した“総理のご意向”という言葉の入ったペーパーと同様に、文書の存在が認められたからといって、メモの内容が正しいとは限らないということです。

 そのメモの内容は、愛媛県の職員が自分の記憶を元に書いたものに過ぎず、発言者(柳瀬氏)の側がそこに書かれた自分の発言内容を了解しない限りは、それは面談の議事録とはなり得ないからです。

 ちなみに、“首相案件”という言葉は役所の内部で使われるものであり、そうした用語を柳瀬氏が外部の人間に対して言うものなのか、個人的には疑わしくも感じます。柳瀬氏の発言をまとめる形で愛媛県職員がそうした用語を使った、またはこのメモを関係者への根回しに使うために実際の柳瀬氏の発言よりも誇張した表現を使った(=話を盛った)、という可能性も現段階では否定できないと思います。