森友学園をめぐる公文書の改ざん問題で揺れる財務省。自らの責任を認めたことで、幹部の一掃は不可避となり、解体の危機にひんしている。「官の中の官」と呼ばれる財務省はどこで間違い、これからどこに向かうのだろうか。DOL特集「財務省解体の危機」第1回は、財務省とはどのような組織だったのか、歴史を振り返りながら論じていく。(ジャーナリスト 横田由美子)

組織としての力が
圧倒的だった財務省

今年で財務省の取材を始めて15年になる筆者が駆け出しの頃、超ベテランの経済記者が財務省について話したことを、今も覚えている。彼は、経済産業省の記者クラブから財務省のクラブに移ってきて間もなかった。

「経産省を10年以上取材してきたけれど、財務省を取材してみて改めて、その凄さが分かった。経産官僚の能力だって、決して財務官僚と比べて引けを取らない。にもかかわらず、なぜ経産省は財務省の後塵を拝し続けているのか不思議でならなかったが、今は納得できる。組織としての力が圧倒的に違うんだ」

 その頃の筆者は、記者としての知識も能力もつたなすぎて、彼の言う意味が理解できなかった。そして、彼の言葉の中に、今、財務省に巣食っている「病理」が潜んでいたことには、まったく気づいていなかった。