結婚してから家を買うのは遅い
住宅ローンの「新常識」とは?

住宅ローンは30歳までに組まないと身を滅ぼす「家を買うのは結婚してから」と考えていないか。今やそんな悠長なことは言っていられない。35年ローンを安心して組める年齢は、せいぜい30歳前後なのだ

「家を買うのは結婚してから」と考えていないだろうか。それは昔の話であり、時代はすでに変わっている。

 退職金が出ない会社も増えているし、定年はほとんどの企業が60歳だ。昔は退職金を住宅ローンの返済に充てて完済をし、老後は住宅ローンがないのが一般的だった。しかし、今はそのセオリーがそもそも崩れているので、別の返済計画が必要になる。その模範解答例は以下のようになる。住宅ローンを借りる時期は、読者諸氏が想像している以上に早いほうがよいと考えた方がいい。

【住宅ローンと人生年表】

20歳 住宅ローン可能年齢
22歳 大卒入社3ヵ月で住宅ローン可能
25歳 定年までに35年ローン完済年齢
30歳 再雇用定年までに35年ローン完済年齢
44歳 35年ローンの最終年
60歳 定年
65歳 再雇用定年(定年前の50~60%程度の給与水準)
65歳 年金支給年齢
80歳 誕生日までにローン完済
82歳 男性の平均寿命
88歳 女性の平均寿命

 順を追って説明していこう。20歳になると、国民年金の支払い対象になる。年金を何十年支払っても老後の安心は確定しない。それは将来、もらえる年金の金額が支払った金額より減ることが事実上、確定しているからだ。仕事をしている現役世代が老後世代の年金を支払う構造になっているため、少子高齢化が進む人口減少社会では年金が一部かけ捨て同然になってしまうのである。