米国の10年金利が4月最終週に3%に到達した。「住宅ローン金利はどうなる」といった記事を米メディアは盛んに流している。
これまで米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)は、長期金利が跳ね上がらないように超金融緩和策からの出口政策を慎重なペースで進めてきた。賃金や物価の上昇ペースがゆっくりだったからだ。
それに釣られて、他の先進国の中央銀行も低金利政策を維持してきた。自分たちだけが利上げを早めると、自国通貨高が起きてしまうからだ。このため、多くの国で低金利長期化を背景にした激しい住宅投資ブームが発生した。
国際決済銀行(BIS)のデータによると、昨年9月までの5年間における住宅価格の上昇率は、米国で38%程度だが、カナダは48%、オーストラリアは46%、スウェーデンは53%だ。ちなみに、日本の住宅価格のピークである1991年3月までの5年間の上昇率は48%だった。つまり、前述した各国の住宅価格は日本のバブル期並みの高騰を示してきた。