また、医者総数における女医率の上昇により、産育休時短は「当然の権利」とされるようになり、それに苦言を呈した管理職の方が処分される時代となった。

外部フリーランス医師の
応援なしには現場が回らない

 2017年には大阪府某公立病院の小児科部長が、入職早々に産休を取得しようとした女医への不適切なメールがマタハラと認定されて、処分されている。その結果、大学病院や都内のブランド病院においても、採用の調整弁として、もはや外部フリーランス医師の応援なしには現場が回らなくなりつつある。

 2017年に開催された厚労省の医師需給分科会(第10回会議)では、「非常に重要なのがフリーランス医師への対応」「どういうキャリアパス、キャリアを積んで、どのぐらいの診療能力を持つか(中略)データベース化しなければ」という医大理事長の発言がある。同分科会も回を重ねるにつれ「不愉快な連中」から「注視すべき存在」へと、見解が変化しつつあることが読み取れる。

 もはや日本の医療はフリーランス医師なしでは成り立たない。また、SNSやブログなどで医者自身が情報を発信する時代に突入し、オンラインメディアの発展によって、地方の多忙な医療現場に張り付きながら、論客として活動する医者も増えている。医局を守るための不都合を封じ込められる時代ではない。フリーランスで稼ぎ、自由に発信する私自身がその証左だ。

 今後は、作家が複数の出版社と取引するように、複数の病院と契約して成果に応じた報酬を受け取る医者がありふれた存在になってゆくだろう。