韓国語の「パルレ」は、
「洗濯」という意味

Yumi:パルレ(빨래)っていうのは、韓国語で「洗濯」という意味ですよね。

野島:はい。モンゴル出身で出稼ぎに出てきたソロンゴと、地方からソウルに出てきて書店員になるナヨンという女の子を中心とした現代の話です。

Yumi:外国人が主役なんですね。

野島:はい。出稼ぎ労働者であるソロンゴは、屋上にあるプレハブのような部屋に住んでいるんです。家賃が安いので。さらにフィリピンから来ているマイケルという男の子とふたりでルームシェアもしていて。そして、同じような隣のアパートに田舎から出てきたナヨンという女の子が洗濯物を干しにくるんです。

Yumi:ああ、だからパルレ…。

野島:はい。そこで洗濯物を干している彼女に挨拶をして、交流が始まるんです。劇では、最後には2人がくっつくのですが、それだけではなくて、僕が演じるソロンゴが差別されて、大家さんに暴力を振るわれるシーンがあったり、ナヨンが、今でいうパワハラにあって地方の倉庫に飛ばされたり、障害者を抱えるおばあさんがいたりとか…。韓国で現実にある社会問題が入ってるんです。

Yumi:日本でもありそうな問題ばかりですね…

野島:でも大変なことがあっても、みんな、くじけないんです。何があっても、明日はがんばって生きていこう、洗濯物を洗ってきれいにするように、自分の心も洗って明日を迎えようっていう話なんです。勇気づけられるというか、本当にいい話です。

Yumi:私もパルレを見たことがありますが、韓国では「元気がもらえる」ミュージカルって言われてますね。

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