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「夜型」は死亡リスク1割増、肥満と同程度の健康リスク

井手ゆきえ [医学ライター]
【第401回】
フクロウ族は死亡リスクPhoto:PIXTA

 フクロウ族は早起き鳥より死亡リスクが高いようだ。

 米ノースウェスタン大学の研究チームは、遺伝子型と生活習慣、環境との関連を調べる「英国バイオバンク研究」から、睡眠に関する質問に回答した43万3268人(平均年齢56.5歳、男女比はほぼ1対1)を抽出。睡眠パターンと疾病リスクの関連を解析した。

 睡眠パターンは(1)確実に朝型、(2)まぁまぁ朝型、(3)まぁまぁ夜型、(4)確実に夜型の4つから選択してもらっている。

 平均6.5年の追跡期間中、1万0534名が死亡し、このうち、2127名は心血管系の病気が原因だった。

 さらに睡眠パターンと死亡との関連を調べた結果、(4)の確実に夜型の人は、(1)の確実に朝型の人に比べ、死亡リスクが10%有意に高いことが示されたのだ。逆に、(1)の人は、全ての睡眠パターンのなかで最も死亡リスクが低かった。

 具体的な疾病との関連では、(4)の人は、精神疾患にかかるリスクが(1)の確実に朝型の人よりも約2倍高く、2型糖尿病や神経疾患、消化器疾患、呼吸器疾患についても、(1)の人より1.2~1.3倍はかかりやすいらしい。

 研究者は「夜型の睡眠パターンは肥満と同じ程度の健康リスクだ」としている。この報告とは別に、発がんリスクや認知症リスクと関係することも指摘されており、宵っ張りの朝寝坊が健康を損なう可能性はかなり高い。

 遺伝的に「夜になると野生のフクロウ並みに活き活き、冴え冴えする」人はさておき、習慣的に「なんちゃって夜型」になっている人は、流行の言葉でいう「睡眠負債」(日々の睡眠不足の借金)を抱えやすい。健康リスク以外に、パフォーマンスの低下など社会的リスクも侮れないだろう。

 夜型人間が朝型へ切り替えるには「早寝」よりも「早起き」を優先するといい。朝のうちに日の光を浴びることで、体内時計が朝型にシフトされるからだ。

 リセット中の2~3週間は猛烈に眠いがここが我慢のしどころ。休日の寝だめでは元の木阿弥なので、昼寝で対処しよう。30分ほど寝るだけでも心身がすっきりする。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 


カラダご医見番

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