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山田厚史の「世界かわら版」

野田訪米・影のテーマは「日本の政局」
日米首脳会談から民主・自民の大連立へ

山田厚史 [デモクラTV代表・元朝日新聞編集委員]
【第8回】 2012年4月26日
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 30日、ワシントンで日米首脳会談が開かれる。存亡の危機に立つ民主党政権が米国に後ろ盾を求める気配は濃く、会談の影のテーマは「日本の政局」だろう。

野田首相を持ち上げた
ワシントンポスト紙

 「ここ数年でもっとも賢明なリーダー」。

 ワシントンポストは19日の電子版で、野田首相を論評する記事を掲載した。
「派手なだけで問題解決能力がなかった首相」ばかりが続いた日本の政界で、野田は有権者に言いにくい困難な課題に取り組み、「日米同盟を戦略の軸に引き戻した」と評価している。

 珍しい誉め言葉だが、素直に喜んでよいのだろうか。

 首都で歴代の政権や議会をウオッチしてきたワシントンポストの視点は、ホワイトハウスの見方を映し出している。

 自民党政権に寄り添ってきた米国は、日本の政権交代を不安そうに見守ってきた。民主党政権の初代首相・鳩山由起夫は「東アジア共栄圏」を語り、対米関係の再構築を示唆した。普天間基地問題でも「国外に」と主張し、親米派から「日米関係を悪化させる」とボロクソだった。次が「市民派」の菅直人。TPPでアメリカを喜ばせたが、腹の底では違うことを考えているのでは、と警戒された。

 小沢一郎の存在にも米国は違和感を持っていた。民主党の創業チームである「トロイカ」は、どう見ても「親米」ではなかった。

 「同盟を戦略の軸に戻した」という評価は、ホワイトハウスが野田の登場でホッとしていることをうかがわせる。小沢・鳩山・菅のような「危険性」はなく、外交関係に敢えて角を立てる行動はないと見ている。伝統的な日本の保守政治家、つまり官僚の言うことをよく聞く調整型で、そんな野田が日本が抱える困難な政策課題を克服できれば、「他国の見本となるリーダーになる」というのだ。

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山田厚史 [デモクラTV代表・元朝日新聞編集委員]

やまだ あつし/1971年朝日新聞入社。青森・千葉支局員を経て経済記者。大蔵省、外務省、自動車業界、金融証券業界など担当。ロンドン特派員として東欧の市場経済化、EC市場統合などを取材、93年から編集委員。ハーバード大学ニーマンフェロー。朝日新聞特別編集委員(経済担当)として大蔵行政や金融業界の体質を問う記事を執筆。2000年からバンコク特派員。2012年からフリージャーナリスト。CS放送「朝日ニュースター」で、「パックインジャーナル」のコメンテーターなど務める。

 


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元朝日新聞編集員で、反骨のジャーナリスト山田厚史が、世界中で起こる政治・経済の森羅万象に鋭く切り込む。その独自の視点で、強者の論理の欺瞞や矛盾、市場原理の裏に潜む冷徹な打算を解き明かします。

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