藤田研一(シーメンス日本法人社長兼CEO)アルプス電気、UFJ総合研究所などを経て、2006年シーメンスの自動車電子部品部門の子会社に入社。シーメンス本社、シーメンス・ジャパン専務などを経て16年より現職 Photo by Mieko Arai

IoTで先行していた米GEを抜き去り、世界最大級の産業用プラットフォームを構築した独シーメンス――。電機業界の新秩序に迫った『週刊ダイヤモンド』2018年11月10日号「変われぬ東芝 変わる日立」のスピンオフとして、シーメンス日本法人の藤田研一社長に成功の理由を聞いたインタビュー拡大版をお届けする。

――なぜいま好調な医療機器事業の分社化などの再編を行うのでしょうか。

 シーメンスの株価は今年に入って過去最高水準を記録しました。好調なときほど会社は変革しやすいものです。

 いずれ、社会のデジタル化というパラダイムシフトに対応する必要があるのなら、いま変えてしまおうということです。

 2020年を目標年度にした中期経営計画を前倒しで達成できたので、8月にそれを深堀りする新戦略を発表しました。

 その中で、迅速な意思決定を可能にするための組織再編を行うことにしました。