電力事業の減益などのために株価—が低迷している米ゼネラル・エレクトリック(GE)が「十八番」である事業の選択と集中を進める。成長分野であるIoT(モノのインターネット)でも対象分野と顧客を絞り込み、経営資源を集中。実績づくりを最優先する。(「週刊ダイヤモンド」編集部 千本木啓文)
「今までのようにあらゆる企業に提案する余裕はない。デジタル化のリテラシーが高い顧客をピックアップしていく」。GEデジタル・ジャパンのマンダール・ワヴデ・コマーシャルリーダーはIoTの新たな戦略をこう語る。
これまでは、GEのサービスを知ってもらうために全方位的にソリューションを提案してきたが、今後は対象を絞り込み、顧客の利益に貢献する実績づくりに集中する。
顧客の絞り込みでは、(1)GEのハードウェアを利用している、(2)デジタル化のリテラシーがある、(3)大きな利益改善が見込める――企業で、できるだけ業界の大手をターゲットにする。
従来は「日用品メーカーなどGEの製品と関連の薄い企業も対象にして、風呂敷を広げすぎていた」(GE関係者)という。