世界各国の政府が「自国のシリコンバレー」を口にするように、中国政府もいくつも「第2の深セン」を狙ったプロジェクトを仕掛けている。最近では北京郊外の雄安新区に「千年の大計」として大規模開発を行っている。雄安新区は未来の深センとなれるか。(高須正和:メイカーフェア深セン/シンガポール)
習近平政権の
肝いり政策「雄安新区」
昨年から「雄安新区」という名前がさまざまなメディアで聞かれるようになった。
雄安新区は、北京から150kmほどの郊外にある、河北省の何もない場所だ。もっとも、「北京郊外」と書いたが、この150kmという距離は東京から富士山より遠い。北京から南東に150kmほど行った場所に大都市である天津があるが、雄安新区は南西に150kmほど行った先にある。