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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

日本の異質性を生む財政・金融政策サイクルの“ずれ”
――森田京平・バークレイズ・キャピタル証券
チーフエコノミスト

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト],島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト],高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]
【第63回】 2012年5月16日
著者・コラム紹介バックナンバー
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まとめ:
財政サイクルと
金融政策サイクルの“ずれ”

 2012年は1~3月期以降、全ての四半期で日本の実質GDP成長率がG3(日・米・欧)でトップとなる可能性がある。1つの要因として、日本の財政政策サイクルのずれ(日本は財政出動、欧・米は財政抑制)が挙げられる。

 しかし、2013年前半には景気減速が避けられそうにない。米国だけでなく日本でも“Fiscal cliff”(財政の崖)に警戒したい。

 金融政策においても、今後は主要中央銀行間でサイクルのずれ(日銀のバランスシート拡張度合いが目立つ)が見られる。今後は日銀がCPIに強気であることから、ファンダメンタルズの観点からは、さらなる金融緩和は一旦議論しにくくなる。

 しかし、日銀が想定するフィリップス・カーブの傾きには違和感を禁じ得ず、CPI見通しの修正を伴う形で追加緩和を余儀なくされる可能性もある。

景気展望:
やはり日本が2012年は
G3(日・米・欧)でトップに

 1~3月期の主要な経済指標が出揃った。このタイミングを捉えて景気展望を整理しておこう。2012年のポイントは、G3(日・米・欧)の中で日本の実質GDP成長率がトップになる可能性が高いということにある。

2012年1~3月期:
顕在化する財政政策サイクルのずれ
(日本は財政出動、欧・米は財政抑制)

 5月17日、内閣府は1~3月期のGDP統計(1次速報)を発表する。当社は同期の実質GDPは前期比+0.9%(同年率+3.5%)と、高いスピードで増加したと見ている。もちろんG3でトップの成長率だ。

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森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。

島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト]

しまもと・こうじ/1990年、東京大学卒業、日本興業銀行入社。調査部門で金利分析や経済予測を担当。2000年からBNPパリバ証券で投資調査本部長兼チーフストラテジストとして金融市場予測を担う。日本経済新聞社の債券アナリスト・エコノミスト人気調査の債券部門では06、08年に1位。金融庁の金融市場戦略チームや金融税制研究会、行政刷新会議の事業仕分けなどに参加。

高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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