過去20年、カルロス・ゴーン氏(64)の話を聞くためには飛行機に乗るのが最も確実だった。レバノン系の両親の下にブラジルで生まれたゴーン氏は、1万キロ以上も離れた2つの企業を結合させて名声を得た。私が昨年会った時、予定は1年前に入れると話していた。「私には職場が4カ所ある」。忙しいスケジュールの合間を縫い、側近に囲まれてニューヨークでインタビューに応じたゴーン氏はこう述べた。職場としてアムステルダム、パリ、東京(2社)を挙げた。さらに、「現実との接点を失わないために」時々現場に立ち入っているとも話した。そうした忙しい生活は19日に突然途絶えた。金融商品取引法違反の容疑で逮捕されたのだ。ゴーン氏が建て直した日産自動車は、「重大な不正行為」があったとして同氏の放逐を計画している。ゴーン氏は日産とルノーの連合関係を構築し、長らく率いていた。
ゴーン会長失脚、自動車業界のグローバル化に打撃
彼ほど強烈な存在感を持つ経営者は今の業界にはいない
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