若者こそが日本を変えていく

 私はまだ現職として、さまざまな分野に挑戦している最中です。福岡市が飛躍し、それが日本の希望となるようにガムシャラにチャレンジしているまっただなかです。よって、「本を書きませんか?」とお話を持ちかけられたとき、「せめて現職を引いた後がいい」と固辞しました。

 しかし、「市長の取り組みのエッセンスがビジネスパーソンも含めて、同世代のチャレンジャーにもきっと役に立つはずだ」との言葉を受けて、僭越ながら筆を執ることにしました。そもそも文章を書くことは苦手なので、稚拙な表現もあるかもしれません。ご容赦ください。

 せっかくいただいた機会ですから、私自身の思いやこれまでの福岡市の取り組み、街の飛躍の原動力となった職員や組織の変容。また自分自身のメンタルコントロールのやり方なども素直に書きました。

 さて、日本社会にもっとも足りないダイバーシティは「意思決定層に『若者』がほとんどいない」ことだと思っています。

 これは企業でも政治の世界でも同じです。若い人たちに理想の社会のイメージがあるなら、誰かが行動してくれるのを座して待つのではなく、若い自分たちこそが立ち上がって世の中を変えればいい。

 就任したときの年齢は、私は36歳、エストニアのユリ・ラタス首相は38歳。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は39歳、カナダのジャスティン・トルドー首相は43歳です。

 とくに日本の地方自治体の場合、議院内閣制の国政とは違い、予算権や人事権を持つ市長や知事は直接、住民の選挙で選ばれます。影響力を持つために議員として期数を重ねる必要もありませんし、覚悟を持てば誰でも私のようにすぐに挑戦する権利があるのです。

 この本を通して、私の経験をみなさんとシェアすることで、全国の若者はもちろんのこと、行政とは関係のない他業種からも、市長や知事に挑戦しようという人が増えることを心から期待しています。若い首長がスピーディーに各地方を変えていくことこそ、日本を最速で変えていくもっとも合理的な方法だと思うのです。

次回は、出馬を決めて見えた人間関係についてお伝えします。12/7公開予定です)